- 其の一、
- 平安時代、天災や飢饉(ききん)は怨霊(おんりょう)のたたりと考えられていました
- 其の二、
- 平安京は風水学に基づき造営された怨霊封じの都でした
- 其の三、
- 京都では怨霊を鎮めるために多くの社寺が建てられました
怨霊封じの都・平安京
桓武天皇の手によって造られた平安京は、都の華やかさとは裏腹に、怨霊と戦い続けた都でもありました。権力を巡る骨肉の争い、宮廷に渦巻く策略、そして非業の死を遂げた者たちの怨念-。中国より伝わった風水学に基づいて造られた平安京は、そのような数多の怨霊から逃れるためにあちこちに 怨霊封じを施し、鬼門にあたる北東には鬼門封じの社寺が建てられました。また、安倍晴明をはじめとする陰陽師が活躍し、あらゆる怨霊から都を守ろうとしました。
今に残る魔界伝説
古来、自然災害や飢饉は、怨霊のたたりによるものと 考えられてきました。こうした怨霊たちは神社やお寺に まつられ、怨霊を鎮める御霊祭(ごりょうさい)が行われました。現在8月15日に行われている京都五山送り火も、 度重なる戦乱で生まれた怨霊を鎮めるために行われた 「万灯(まんとう)」に起源を持つとも言われてい ます。このように、京に残る様々な怨霊封じの伝説をたどれば、 華やかな都とはまた異なる、魔界都市としての一面が 浮かび上がってくることでしょう。
一条戻橋のたもとにあったと伝わる安倍晴明の屋敷跡に立つ神社。晴明は平安京を守る陰陽師として6代の天皇に仕え、式神(しきがみ)という12の霊を自在に操ったと伝わります。
- 9時18時 075-441-6460
- http://www.seimeijinja.jp
- 出町柳駅から市バス102・201・203系統堀川今出川下車南へ徒歩約5分
陰陽師とは中国の陰陽五行説に基づき、天文や暦、占術を専門とする役職のことを言います。安倍晴明は呪術を駆使して都を守ったと言われ、晴明の超能力を伝える話は『今昔物語』や『宇治拾遺物語』などに多数記されています。
晴明は関東の豪族・平将門の子だったとか、母は白狐であったなどの説があります
地獄の閻魔(えんま)大王に仕えたという小野篁(おののたかむら)ゆかりの寺。8月7日(土)10日(火)にかけて、迎え鐘をついて先祖の霊を迎えるお盆の行事「六道まいり」が行われます。
- 9時16時 075-561-4129
- 清水五条駅下車 北東へ徒歩約15分
本尊は人々の苦しみを取り除く地蔵菩薩。この像は、開山の満慶上人が、小野篁の推薦で閻魔大王に教えを授け、そのお礼に案内された地獄で見た地蔵菩薩の姿を、現世に戻って彫ったものと伝わります。
- 8時19時 075-241-3608
- 三条駅下車 西へ徒歩約10分
本堂にかかる梵鐘(ぼんしょう)は「送り鐘」と言われ、お盆には死者の霊を迷わず冥土に送るためにつかれます
平安時代、嫉妬(しっと)に狂った女が頭に鉄輪をかぶり、丑(うし)の刻参りで相手の男に呪いをかけようとしましたが、男に雇われた晴明に阻まれたため呪いは成就せず、この井戸端で息絶えたと伝わります。
- 清水五条駅下車 北西へ徒歩約15分
政争に敗れ、無念の死をとげた菅原道真公は、その死後、怨霊となって都に様々な災いをもたらしたと言われます。朝廷は北野の地に道真公をまつり、今では学問の神様として信仰されています。
- 5時18時 075-461-0005
- http://kitanotenmangu.or.jp/
- 出町柳駅から市バス102・203系統 北野天満宮前下車すぐ
祭神は八所御霊といい、京都市上京区の上御霊神社とともに、早良(さわら)親王、橘逸勢(たちばなのはやなり)ら非業(ひごう)の死を遂げた8つの霊をまつっています。
- 8時17時 075-231-3530
- 神宮丸太町駅下車 西へ徒歩約10分
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