沿線おでかけ情報

京都ツウのススメ

第百二十七回 京都に残るお屋敷

公家・武家・商家などの
豪華なお屋敷
個性豊かな京都のお屋敷建築。
その魅力を、らくたびの森明子さんがご紹介します。

基礎知識

其の一、

京都には、江戸時代から近代にかけて建てられたお屋敷が残ります

其の二、

公家屋敷や商家、別邸など種類は様々です

其の三、

現在は見学施設や店舗として活用されているものもあります

京都におけるお屋敷の変遷

平安時代以降、様々な人々が集まって生活していた京都では、その職業などに応じた住居が建てられました。室町時代後期の応仁の乱(1467~77年)で町が焼土と化した後も、その基本的な構造は脈々と受け継がれます。

江戸時代には、御所の周辺に公家の住まいが立ち並び、また都の各所に諸藩の藩邸が置かれるようになりました。藩邸は、多い時で80以上あったと言います。

明治時代になると、貴族階級の人々や政治家、実業家らによって、れんが造り・石造りの建物や和洋折衷の洋風建築が建てられるように。またこの頃、京都の近代化政策に伴い、別荘や別邸の建築も盛んになりました。大正時代~昭和初期には、豪商などが京町家を建てる際、襖の代わりにガラス障子を使うなど、モダンなデザイン を施したり、医者・学者・芸術家などの住まいとして、道に面して塀を付けた大塀造りの町家も登場します。座敷の床の間や天井に高価な木材を用いるなどして贅ぜいを凝らした建物です。現在では一般に公開されているところも多く、当時の様子を知ることができます。

京都に残るお屋敷

お屋敷の種類は実に多彩!
かつての姿を残すお屋敷をご紹介します。

公家屋敷

御所周辺に住んでいた公家の邸宅

冷泉家(れいぜいけ)住宅[上京区]

冷泉家住宅

歌人・藤原俊成(しゅんぜい)、定家(ていか)父子の子孫の家。江戸時代初めに現在地に屋敷を構え、1790(寛政2)年に再建。完全な姿で現存する唯一の公家屋敷として重要文化財に指定されています。

武家屋敷

上級武士の住居で、構造の基本は書院造り

京都(きょうと)清宗根付館(いしゅうねつけかん)[中京区]

京都清宗根付館

武家の建物は、室町時代に書院造りという形式を用いるようになりました。壬生郷士・神先(かんざき)家は1820(文政3)年築で、貴重な武家屋敷として京都市指定有形文化財に。身分の高い人のための玄関となる式台を構えるなど、随所に武家屋敷の特徴を備えています。現在は根付専門の美術館に。

ここがツウ

江戸時代に全国の諸大名が京都に構えた藩邸も武家屋敷の一種で「京屋敷」と呼ばれました

邸宅

こだわりを持って建てられた私邸

駒井家(こまいけ)住宅[左京区]

駒井家住宅

「日本のダーウィン」と称され遺伝学などに大きな功績を残した元京都大学名誉教授・駒井卓の私邸。ヴォーリズ建築事務所設計による近代洋風建築で、京都市指定有形文化財に指定。毎週金・土曜に公開されています(夏季・冬季長期休館あり)。

工房邸宅

画家が自ら設計した理想的な制作空間

白沙村荘 橋本関雪(はくさそんそう はしもとかんせつ)記念館[左京区]

白沙村荘 橋本関雪記念館

日本画家・橋本関雪が自身の制作活動を行うために造営した10,000㎡にも及ぶ邸宅。大正時代〜昭和初期に建てられた居宅と3つの画室、さらに茶室などがあり、国の名勝に指定された池泉回遊式庭園も楽しめます。

商家

大店(おおだな)と呼ばれる立派な京町家で、
主屋のほか離れや蔵なども

二條陣屋(にじょうじんや)(小川家住宅)[中京区]

二條陣屋

江戸時代に米・両替商を営んでいた小川家の住宅で、京屋敷を持たない大名の宿舎でもありました。重要文化財で、現在も一部が住居として使われています。豪商の屋敷として趣向が凝らされているほか、客の安全を守るための防衛建築が見られます。

ここがツウ

二條陣屋には隠し階段・吊り階段・武者隠しなど、大名の身を守るための仕掛けがあります

別邸

豪商・貴族・実業家などの別宅で、客人を迎える場所としても使用

旧三井家下鴨別邸[左京区]

旧三井家下鴨別邸

豪商・旧三井家の別邸で重要文化財。明治初期に建てられた木造3階建ての主屋を木屋町から移築。その際、玄関棟などを増築し、1925(大正14)年に完成。主屋の1・2階は座敷で、3階は東山を眺望する望楼に。

ここがツウ

旧三井家下鴨別邸の茶室や京都御苑内の九條家別邸・拾翠亭(しゅうすいてい)は茶会などに利用することができます

制作:2018年11月
バックナンバー
第百三十一回 京の調味料
第百三十回 高瀬川
第百二十九回 蹴鞠
第百二十八回 歌舞伎
第百二十七回 京都に残るお屋敷
第百二十六回 京の仏像 [スペシャル版]
第百二十五回 京の学校
第百二十四回 京の六地蔵めぐり
第百二十三回 京の七不思議<通り編>
第百二十二回 京都とフランス
第百二十一回 京の石仏
第百二十回 京の襖絵(ふすまえ)
第百十九回 生き物由来の地名
第百十八回 京都の路面電車
第百十七回 神様への願いを込めて奉納
第百十六回 京の歴食
第百十五回 曲水の宴
第百十四回 大政奉還(たいせいほうかん)
第百十三回 パンと京都
第百十二回 京に伝わる恋物語
第百十一回 鵜飼(うかい)
第百十回 扇子(せんす)
第百九回 京の社寺と山
第百八回 春の京菓子
第百七回 幻の京都
第百六回 京の家紋
第百五回 京の門前菓子
第百四回 京の通り名
第百三回 御土居(おどい)
第百二回 文学に描かれた京都
第百一回 重陽(ちょうよう)の節句
第百回 夏の京野菜
第九十九回 若冲と近世日本画
第九十八回 京の鍾馗さん
第九十七回 言いまわし・ことわざ
第九十六回 京の仏師
第九十五回 鴨川
第九十四回 京の梅
第九十三回 ご朱印
第九十二回 京の冬の食習慣
第九十一回 京の庭園
第九十回 琳派(りんぱ)
第八十九回 京の麩(ふ)
第八十八回 妖怪紀行
第八十七回 夏の京菓子
第八十六回 小野小町(おののこまち)と一族
第八十五回 新選組
第八十四回 京のお弁当
第八十三回 京都の湯
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第五十八回 京のしきたり
第五十七回 百人一首
第五十六回 京の年末
第五十五回 いけばな
第五十四回 京の城
第五十三回 観月行事
第五十二回 京の塔
第五十一回 錦市場
第五十回 京の暖簾
第四十九回 大原女
第四十八回 京友禅
第四十七回 京のひな祭り
第四十六回 京料理
第四十五回 京の町家〈内観編〉
第四十四回 京の町家〈外観編〉
第四十三回 京都と映画
第四十二回 京の門
第四十一回 おばんざい
第四十回 京の焼きもの
第三十九回 京の七不思議
第三十八回 京の作庭家
第三十七回 室町文化
第三十六回 京都御所
第三十五回 京の通り
第三十四回 節分祭
第三十三回 京の七福神
第三十二回 京の狛犬
第三十一回 伏見の酒
第三十回 京ことば
第二十九回 京の文明開化
第二十八回 京の魔界
第二十七回 京の納涼床
第二十六回 夏越祓
第二十五回 葵祭
第二十四回 京の絵師
第二十三回 涅槃会
第二十二回 京のお漬物
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第二十回 京の梵鐘
第十九回 京のお豆腐
第十八回 時代祭
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第十六回 京のお盆行事
第十五回 京野菜
第十四回 京都の路地
第十三回 宇治茶
第十一回 京菓子の歴史
第十回 枯山水庭園の眺め方
第九回 京阪沿線 初詣ガイド
第八回 顔見世を楽しむ
第七回 特別拝観の楽しみ方
第六回 京都の着物
第五回 仏像の見方
第四回 送り火の神秘
第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
第一回 池泉庭園の眺め方
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