京都ツウのススメ

第三十二回 京の狛犬

[様々な動物に出会える 京の狛犬巡り] 京都の神社やお寺では、ほかの地域と比べて様々な種類の狛犬に出会うことができます。寺社巡りに楽しみを与えてくれる京の狛犬についてらくたびの山村純也さんがご案内します。

京の狛犬の基礎知識

其の一、
神社やお寺の聖域を守る霊獣像を狛犬と呼びます
其の二、
仏教とともに伝来し、平安時代に魔よけとして宮中に置かれました
其の三、
ネズミやイノシシなど、様々な動物の形をした"狛犬"もいます

狛犬の歴史と由来

神社やお寺へ参拝すると、鳥居や参道、社殿の前などで参拝者を出迎えてくれる狛犬。威嚇(いかく)しているような表情が特徴で、神域に邪気が入らないように守っている霊獣です。狛犬は、一般に獅子と狛犬を一対とし、もとは古代インドなどで仏の両脇にライオンの像を置いたのが起源とされます。日本では平安時代に仏教の普及につれて仁王像と同じ阿吽(あうん)の表情や一方に角を生やすなど、日本独自のスタイルとなり、宮中で魔よけ像として定着。やがて神社やお寺などにも置かれるようになりました。

狛犬の形と種類

現在では獅子・狛犬を総称して「狛犬」と呼びますが、一般的には本殿や拝殿に向かって右側にいるのが獅子、左側が狛犬です。また、十二支などの動物の姿をした“狛犬”は神の教えを伝える神様のお使いで、稲荷神社のキツネ、八幡神社のハト、日吉神社のサルなどがあります。こうした個性豊かな狛犬たちに出会うことは、神社やお寺巡りの楽しみのひとつとなっています。

狛犬像を見る 狛犬は、角のない獅子と角のある狛犬との組み合わせが一般的です。 ここでは、基本的な八坂神社の狛犬のスタイルをご紹介します。 狛犬 口を閉じた吽形 獅子 口を開いた阿形
八坂神社

四条通に面した西楼門の脇にたたずむ青銅製 の狛犬は、引き締まった体つきで力強さを感じさせます。

神の使いの動物像 祭神や教えにゆかりのある動物たちがすえられている神社をご紹介します。
ネズミ イノシシ
大豊神社(末社大国社) 護王神社
ネズミが道案内して祭神を火事から救ったという神話から、狛ネズミが鎮座しています。

  • 075-771-1351
  • 神宮丸太町駅から市バス93・204系統 東天王町下車
    北東へ徒歩約10分
300頭ものイノシシが祭神を災難から守ったとの言い伝えから、狛イノシシが鎮座しています。

  • 075-441-5458
  • http://www.gooujinja.or.jp
  • 神宮丸太町駅から市バス65・93・202・204系統
    烏丸丸太町下車 北へ徒歩約5分
 
キツネ ハト
伏見稲荷大社 三宅八幡宮
キツネは農耕の神様である稲荷大神のお使い。口に鍵や玉、稲穂、巻物などをくわえています。

小野妹子が大分県・宇佐八幡宮から石清水八幡宮へ八幡神を勧請(かんじょう)した際、ハトが道案内をしたことから、当宮では八幡神の使いとしてハトが鎮座しています。

制作:2010年11月
バックナンバー
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第百八十四回 京の煤払(すすはら)い
第百八十三回 京都の坪庭(つぼにわ)
第百八十二回 どこまで分かる?京ことば
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第百八十回 琵琶湖疏水と京都
第百七十九回 厄除けの祭礼とお菓子
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第百七十七回 京の有職文様(ゆうそくもんよう)
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第百二十一回 京の石仏
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第百九回 京の社寺と山
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第百一回 重陽(ちょうよう)の節句
第百回 夏の京野菜
第九十九回 若冲と近世日本画
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第六十回 京狩野派
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第五十八回 京のしきたり
第五十七回 百人一首
第五十六回 京の年末
第五十五回 いけばな
第五十四回 京の城
第五十三回 観月行事
第五十二回 京の塔
第五十一回 錦市場
第五十回 京の暖簾
第四十九回 大原女
第四十八回 京友禅
第四十七回 京のひな祭り
第四十六回 京料理
第四十五回 京の町家〈内観編〉
第四十四回 京の町家〈外観編〉
第四十三回 京都と映画
第四十二回 京の門
第四十一回 おばんざい
第四十回 京の焼きもの
第三十九回 京の七不思議
第三十八回 京の作庭家
第三十七回 室町文化
第三十六回 京都御所
第三十五回 京の通り
第三十四回 節分祭
第三十三回 京の七福神
第三十二回 京の狛犬
第三十一回 伏見の酒
第三十回 京ことば
第二十九回 京の文明開化
第二十八回 京の魔界
第二十七回 京の納涼床
第二十六回 夏越祓
第二十五回 葵祭
第二十四回 京の絵師
第二十三回 涅槃会
第二十二回 京のお漬物
第二十一回 京の幕末
第二十回 京の梵鐘
第十九回 京のお豆腐
第十八回 時代祭
第十七回 京の近代建築
第十六回 京のお盆行事
第十五回 京野菜
第十四回 京都の路地
第十三回 宇治茶
第十一回 京菓子の歴史
第十回 枯山水庭園の眺め方
第九回 京阪沿線 初詣ガイド
第八回 顔見世を楽しむ
第七回 特別拝観の楽しみ方
第六回 京都の着物
第五回 仏像の見方
第四回 送り火の神秘
第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
第一回 池泉庭園の眺め方
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