- 其の一、
- 京都で作られる焼きものを総称して「京焼」と呼び、「清水焼」はその代表格です
- 其の二、
- 茶の湯文化の隆盛とともに焼きものの技術が発展しました
- 其の三、
- 優美な色絵付を施した色絵陶磁器が特徴のひとつです
京の焼きもののおこり
京都では古くは5世紀前半、雄略天皇の頃から焼きものが作られてきました。奈良時代に僧・行基が窯(かま)を築いたのが現在の五条坂(茶わん坂)付近と言われています。安土桃山時代以降は茶の湯の発展に伴い、粟田焼・八坂焼・清水焼など東山山ろくを中心に多くの窯元があり、茶席で使われる器が多く作られるようになり、これらを京焼と呼ぶようになりました。江戸時代になると色絵(上絵付)の技法を大成したとされる野々村仁清(にんせい)や尾形乾山(けんざん)ら優れた陶工が現れ、京焼の名を高めました。
受け継がれる京焼・清水焼
京都では焼きものの原料となる土があまり産出されなかったため、他産地から陶土・陶石が運ばれました。それとともに各地から優れた陶工が集まり、様々な技術が発達。また、日本文化の担い手であった茶人や公家たちから、多種多様な形や華やかな色使いが求められたため、個性豊かな作品を生み出す窯元が多く誕生。より工芸色が強く、芸術性の高い意匠が生み出されました。こうして京の都で育まれた京焼・清水焼は、現在も多くの陶工たちに受け継がれ、日本を代表する伝統工芸品として親しまれています。
清水焼には、陶器と磁器があり、いずれも手作り・手描きによる多品種少量生産を特色としています。また、卓越したロクロ技や削り出しによる薄作りが特徴のひとつに挙げられ、均一に薄く成形された茶碗は、薄さ・軽さとともに触れた時の心地良い質感が特徴です。
清水焼では、昭和初期まで京式登り窯が使われ、今でも五条坂付近ではその煙突が残り、往時をしのぶことができます
金・銀・赤・黄など多彩な色絵の具を用いた華麗な色絵陶磁器が多いのも清水焼の特徴です。その起源は茶の湯で使われる陶器にあると言われており、茶席は美術作品鑑賞の場でもあったことから、書や画、蒔絵(まきえ)などから影響を受けた美しい意匠が生み出されました。
茶の湯のほかにも、盛り付けの美しさを誇る「京料理」では器の色合いが特に重視されたため、料理人の厳しい注文が京焼の発展に大きく影響しました
京焼の祖とされる陶工・野々村仁清。彼はそれまでの中国や朝鮮の美術品を模倣した“写しもの”から、山水や花鳥など日本の風物をデザインモチーフにした色彩豊かな“色絵もの”に京焼全体の作風を変えました。その弟子・尾形乾山らが完成させた優雅な日本風の色絵陶器は「古清水(こきよみず)」と呼ばれ、現代の清水焼の源流となっています。
尾形乾山の兄は、琳派の代表的絵師・尾形光琳。乾山が作った器に光琳が絵付をするなど、兄弟合作の装飾性に富んだ名作を多く残しました
有名作家から若手陶芸家の作品までを展示・販売するアンテナショップ。館内には京都府内の窯元やその歴史を紹介する展示コーナーも。
- 9時30分~17時 水・木曜休館
- 075-541-1102
- www.kyototojikikaikan.org
- 清水五条駅下車東へ徒歩約15分
京都五条坂陶器まつりに合わせ、くるる五条坂1階で行われる展示会。作家約60人の作品が並べられ、京焼・清水焼の世界を身近に感じることができます。
- 8/5(金)~9(火)10時~17時
- 075-531-3100(京都陶磁器協同組合連合会)
五条大橋東詰から東大路通までの五条坂に約400軒の露店が並ぶ日本最大級の陶器市。全国各地から様々な器が集まり、出店者との会話も楽しみ。
- 9時~22時30分頃
- 075-541-1192
- www.toukimaturi.gr.jp
- 清水五条駅下車 東へすぐ
- 第百九十二回 京都の植物
- 第百九十一回 京都の風習
- 第百九十回 幻の巨椋池(おぐらいけ)
- 第百八十九回 京都と魚
- 第百八十八回 京都とお花見
- 第百八十七回 京の歌枕(うたまくら)の地
- 第百八十六回 京都の地ソース
- 第百八十五回 『源氏物語』ゆかりの地
- 第百八十四回 京の煤払(すすはら)い
- 第百八十三回 京都の坪庭(つぼにわ)
- 第百八十二回 どこまで分かる?京ことば
- 第百八十一回 京都の中華料理
- 第百八十回 琵琶湖疏水と京都
- 第百七十九回 厄除けの祭礼とお菓子
- 第百七十八回 京都と徳川家
- 第百七十七回 京の有職文様(ゆうそくもんよう)
- 第百七十六回 大念仏狂言(だいねんぶつきょうげん)
- 第百七十五回 京表具(きょうひょうぐ)
- 第百七十四回 京の難読地名
- 第百七十三回 京の縁日
- 第百七十二回 京の冬至(とうじ)と柚子(ゆず)
- 第百七十一回 京都の通称寺
- 第百七十回 京都とキリスト教
- 第百六十九回 京都の札所(ふだしょ)巡り
- 第百六十八回 お精霊(しょらい)さんのお供え
- 第百六十七回 京の城下町 伏見
- 第百六十六回 京の竹
- 第百六十五回 子供の行事・儀式
- 第百六十四回 文豪と京の味
- 第百六十三回 普茶(ふちゃ)料理
- 第百六十二回 京都のフォークソング
- 第百六十一回 京と虎、寅
- 第百六十回 御火焚祭
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- 第百五十四回 京の刃物
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- 第百五十二回 京の社家(しゃけ)
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- 第百五十回 京のお雑煮
- 第百四十九回 京の牛肉文化
- 第百四十八回 京の雲龍図(うんりゅうず)
- 第百四十七回 明治の京都画壇
- 第百四十六回 京の名所図会(めいしょずえ)
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- 第百四十三回 京の人形
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- 第百四十一回 鳥居(とりい)
- 第百四十回 冬の食べ物
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- 第百三十八回 京都と様々な物の供養
- 第百三十六回 京都とビール
- 第百三十五回 京都と鬼門(きもん)
- 第百三十四回 精進料理
- 第百三十三回 明治時代の京の町
- 第百三十二回 皇室ゆかりの建物
- 第百三十一回 京の調味料
- 第百三十回 高瀬川
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- 第百二十七回 京都に残るお屋敷
- 第百二十六回 京の仏像 [スペシャル版]
- 第百二十五回 京の学校
- 第百二十四回 京の六地蔵めぐり
- 第百二十三回 京の七不思議<通り編>
- 第百二十二回 京都とフランス
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- 第百二十回 京の襖絵(ふすまえ)
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- 第百十八回 京都の路面電車
- 第百十七回 神様への願いを込めて奉納
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- 第百十五回 曲水の宴
- 第百十四回 大政奉還(たいせいほうかん)
- 第百十三回 パンと京都
- 第百十二回 京に伝わる恋物語
- 第百十一回 鵜飼(うかい)
- 第百十回 扇子(せんす)
- 第百九回 京の社寺と山
- 第百八回 春の京菓子
- 第百七回 幻の京都
- 第百六回 京の家紋
- 第百五回 京の門前菓子
- 第百四回 京の通り名
- 第百三回 御土居(おどい)
- 第百二回 文学に描かれた京都
- 第百一回 重陽(ちょうよう)の節句
- 第百回 夏の京野菜
- 第九十九回 若冲と近世日本画
- 第九十八回 京の鍾馗さん
- 第九十七回 言いまわし・ことわざ
- 第九十六回 京の仏師
- 第九十五回 鴨川
- 第九十四回 京の梅
- 第九十三回 ご朱印
- 第九十二回 京の冬の食習慣
- 第九十一回 京の庭園
- 第九十回 琳派(りんぱ)
- 第八十九回 京の麩(ふ)
- 第八十八回 妖怪紀行
- 第八十七回 夏の京菓子
- 第八十六回 小野小町(おののこまち)と一族
- 第八十五回 新選組
- 第八十四回 京のお弁当
- 第八十三回 京都の湯
- 第八十二回 京の禅寺
- 第八十一回 京の落語
- 第八十回 義士ゆかりの地・山科
- 第七十九回 京の紅葉
- 第七十八回 京の漫画
- 第七十七回 京の井戸
- 第七十六回 京のお地蔵さん
- 第七十五回 京の名僧
- 第七十四回 京の別邸
- 第七十三回 糺(ただす)の森
- 第七十二回 京舞
- 第七十一回 香道
- 第七十回 天神さん
- 第六十九回 平安京
- 第六十八回 冬の京野菜
- 第六十七回 茶の湯(茶道)
- 第六十六回 京の女流文学
- 第六十五回 京の銭湯
- 第六十四回 京の離宮
- 第六十三回 京の町名
- 第六十二回 能・狂言
- 第六十一回 京の伝説
- 第六十回 京狩野派
- 第五十九回 京寿司
- 第五十八回 京のしきたり
- 第五十七回 百人一首
- 第五十六回 京の年末
- 第五十五回 いけばな
- 第五十四回 京の城
- 第五十三回 観月行事
- 第五十二回 京の塔
- 第五十一回 錦市場
- 第五十回 京の暖簾
- 第四十九回 大原女
- 第四十八回 京友禅
- 第四十七回 京のひな祭り
- 第四十六回 京料理
- 第四十五回 京の町家〈内観編〉
- 第四十四回 京の町家〈外観編〉
- 第四十三回 京都と映画
- 第四十二回 京の門
- 第四十一回 おばんざい
- 第四十回 京の焼きもの
- 第三十九回 京の七不思議
- 第三十八回 京の作庭家
- 第三十七回 室町文化
- 第三十六回 京都御所
- 第三十五回 京の通り
- 第三十四回 節分祭
- 第三十三回 京の七福神
- 第三十二回 京の狛犬
- 第三十一回 伏見の酒
- 第三十回 京ことば
- 第二十九回 京の文明開化
- 第二十八回 京の魔界
- 第二十七回 京の納涼床
- 第二十六回 夏越祓
- 第二十五回 葵祭
- 第二十四回 京の絵師
- 第二十三回 涅槃会
- 第二十二回 京のお漬物
- 第二十一回 京の幕末
- 第二十回 京の梵鐘
- 第十九回 京のお豆腐
- 第十八回 時代祭
- 第十七回 京の近代建築
- 第十六回 京のお盆行事
- 第十五回 京野菜
- 第十四回 京都の路地
- 第十三回 宇治茶
- 第十一回 京菓子の歴史
- 第十回 枯山水庭園の眺め方
- 第九回 京阪沿線 初詣ガイド
- 第八回 顔見世を楽しむ
- 第七回 特別拝観の楽しみ方
- 第六回 京都の着物
- 第五回 仏像の見方
- 第四回 送り火の神秘
- 第三回 祇園祭の楽しみ方
- 第二回 京の名水めぐり
- 第一回 池泉庭園の眺め方