京都ツウ・ウオーク

第1回「京都・魔界巡り」 ~晩夏の東山を訪ねて~ 2010年8月28日(土)開催

青い空が晴れ渡り、夏の日差しが照りつけるとある土曜日。
京都のまちなかを散策する「K PRESS×らくたび『京都ツウ・ウオーク』」を開催しました。
記念すべき第1回目は「京都・魔界巡り」と題して、東山界隈のミステリースポットを散策。不思議な伝説が残る地を訪ね歩きました。

レポート風景

集合は祇園四条駅からすぐの南座前。
まずは、ガイドのらくたび・森明子さんの説明を聞きます。

レポート風景

森さんは、らくたびが主催するツアーの一般参加者だったそうですが、京都好きが高じて今やガイドさんとしてご活躍中。

レポート風景

いよいよスタートです。
森さんに連れられて、四条通から南へ下り、祇園の細い通りを歩きます。
そしてまず西花見小路通へ。
細い道の両脇に京町家がずーっと続いていて、京都らしい情緒が感じられる空間です。
この通りには、おしゃれなカフェやスイーツ店、中華料理店などがあり、楽しそうにお店から出入りする若い人たちの姿もよく見かけます。
森さんオススメのお店をいくつか紹介していただきました。

レポート風景

西花見小路通の突き当たりから花見小路通を北へ進むと、右手に祇園甲部歌舞練場が見えてきます。毎年4月にここで「都をどり」が開催されます。
「祇園」と聞いてイメージするのは、あでやかな舞妓さん、芸妓さんがいる"花街"。ですが、もとは八坂神社にお参りした人たちが立ち寄ってお団子を食べてひと息つく茶店があったところ。
やがて、お酒が出されるようになり、酔えば舞を見たくなり、そうして花街ができあがっていったのです。
ちょうちんにはその名残として、― ● ― ● ― ● ―と、お団子が描かれています。

レポート風景

今度はさらに細い路地(ろうじ)へと進みます。

普通なら、通り抜けしていいものか迷って、結局通り過ぎてしまうような道。
臆することなく歩いて行けるのも、ガイドさんに案内してもらっているからこそ。
秘密の抜け道を見つけたような気分で、楽しくなりますね。

レポート風景

ちなみに、この路地にはお茶屋さんや舞妓さんを派遣する置屋さん(いわばプロダクション事務所のようなもの)がいくつも並んでいます。
その置屋さんの目印となるのが、舞妓さんの名前を書き記した表札です。

レポート風景

祇園歌舞練場をぐるりと回るように抜け出て、東側の少し広い通りに出てきました。

お団子模様の赤いちょうちんが下げられ、ここでも花街らしい風情が感じられますね。

レポート風景

いよいよ、第1のミステリースポット、『崇徳廟(すとくびょう)』に到着です!

1156(保元元)年に保元の乱を起こし、讃岐へと流された崇徳天皇の霊をおまつりしています。
父・鳥羽天皇に疎んじられ、天皇としての実権も無く、それ故に謀反を起こした訳ですが、讃岐で軟禁生活を送るうちに大反省、5つの写本を書き上げて許しを請います。

レポート風景

しかし、自分の血を使って書いたために「呪いが込められている」と疑われ、結局、罪を解かれることはありませんでした。

怒り狂った崇徳天皇は、都を呪いながら流罪生活を送り続けたそう。
その崇徳天皇が亡くなった頃から、都には不吉な出来事が起こり、怨霊伝説がささやかれるように。
そこで、その霊を慰めるために建てられたのがこの廟だと言われています。

レポート風景

続いて訪れたのは『安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)』。
ここは、悪縁切り・良縁結びのご利益でとても有名です。
先ほどの崇徳天皇もご祭神の1人。
流罪先の讃岐の金刀比羅宮で、いっさいの欲を断ち切って参籠(おこもり)されたことから、そのご祭神を祭るこの神社を、断ち物の祈願所として信仰するようになりました。

レポート風景

お札がびっしり貼られて、なんだか異様な雰囲気の「縁切り縁結び碑」。
まず、願いを書いたお札を手に、手前から穴に入って向こう側へ抜け、悪縁を切ります。
そのまま向こう側からこちらへと再び穴をくぐって戻ることで、良縁を結びます。
人の縁だけでなく、病気や災害との縁にも効くそうですよ。

レポート風景

さて、東大路通から松原通に入って、次のミステリースポットは『六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)』。
毎年8月7日~10日、京都の人の多くが先祖の霊をお迎えする「六道まいり」という行事が行われるお寺です。

レポート風景

ここでは特別に、ご住職より講話をいただきました。
かつては、この付近より東は鳥辺野(とりべの)と呼ばれる葬送の地でした。
その入り口にあたるこのお寺で、死者の弔いをして送り出していたそうです。また、小野篁(おののたかむら)にまつわる伝説も話してくださいました。平安期の貴族・小野篁は、昼は朝廷に仕え、夜は冥界の閻魔王庁で裁判を手伝っていたそうです。
このお寺には小野篁が冥界へお勤めに行く際に通ったとされる井戸が残っていて、普段は遠くから眺めることができるのですが・・・。
このツアーでは、特別に、間近の部屋から拝見させていただきました!
写真を撮ると、何かしら"写る"ことが多いということで、撮影はご法度。
境内には、三界萬霊供養塔、小野篁作と言われる閻魔大王座像や小野篁像を安置した閻魔堂(篁堂)、地蔵堂があり、これらはいつでも参拝できます。

レポート風景

これが「十万億土の冥土まで響く」と言われる鐘楼。

六道まいりでこの鐘を撞いて先祖の霊を呼び寄せるため、「迎え鐘」と呼ばれています。
住職のお話を聞いたあと、鐘を撞かせていただきました。
壁から出ている綱を引くと、壁の中から[ゴ~~~ン]と地の底へ響くような深い音色が。

レポート風景

松原通をさらに西へ進むと、『西福寺(さいふくじ)』が見えてきました。
弘法大師が土でつくった六波羅地蔵を安置したと言われているお寺で、後に檀林皇后(だんりんこうごう)が皇子の病気平癒を祈願したことから、子育て地蔵として信仰を集めています。
毎年お盆の時期にだけ、地獄絵図や壇林皇后の死生観を表した掛軸が展示されます。

西福寺のそばに立つ石碑には「六道の辻」と記されています。
六道珍皇寺や西福寺の建つこの辺りは、あの世とこの世の境目、つまり六道(死後の6つの世界。地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)へ通じる場所であるとされ、そのことから「六道の辻」という呼び名が付いたと言います。

レポート風景

西福寺の斜め向かいには、みなとや幽霊子育飴本舗。

その昔、身重のまま亡くなった女性がお墓の中で出産、赤子の空腹を満たすため、幽霊となって飴を買いに来たお店なのだそう。
その幽霊が買ったと言われる飴を実際に買うことができます。

レポート風景

最後は『六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)』。
平安時代中期の僧・空也上人(くうやしょうにん)に縁のあるお寺です。
宝物館には重要文化財がたくさんあり、365日、いつでも見ることができます(有料)。
ここでは、思い思いにお詣りをして過ごしました。
また、この辺りには平清盛(たいらのきよもり)の住居があったそうです。
そういえば、2012年の大河ドラマは平清盛が主役。
きっと盛り上がるんでしょうね!

レポート風景

駅へ向かう途中、ちょっと寄り道。
ここは「あじき路地」の入り口。
若手作家が工房兼住居を構え、土・日曜だけお店としてオープンする長屋が連なっています。
せまい場所なので、大勢で押しかけると大変なことになるため、この日は入り口で簡単な説明だけ。

この辺りにも細い路地がたくさんあり、そのひとつを抜けて行きます。
さり気なく、ステキなお店があり、わくわくしながら通りました。

レポート風景

清水五条駅に到着!
約2時間30分の魔界めぐりが終了です。
残暑が厳しいなか、汗をかきかき歩きましたが、森さんの分かりやすくて面白い説明を聞きながら歩いていたので、あっという間に時間が過ぎていきました!

バスやタクシーの移動では味わえない“細い路地の通り抜け”や、道中の小ネタ紹介など、目的のスポットの案内だけでなく、プラスアルファの楽しさが魅力の「京都ツウ・ウオーク」。
これからも多くの人が楽しんで参加していただけるような、充実した内容で展開していきます。

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