京都ツウのススメ

第三十六回 京都御所

[平安朝以来の歴史と雅を伝える京都御所] 広大な京都御苑のほぼ中央に位置する京都御所。平安王朝の雅と日本文化の粋を伝える貴重な建物群を、らくたびの山村純也さんがご案内します。

京都御所の基礎知識

其の一、
鎌倉時代から東京遷都までの約540年間、歴代の天皇が暮らした皇居です
其の二、
京都御所は、幾度もの火災を経て江戸時代に再建されたものです
其の三、
御所内には、様々な建築様式の建物が連なっています

約540年間続いた天皇の住居

京都御所の歴史は、794(延暦13)年に桓武天皇が平安京へ遷都した際、都の中心となる大内裏の中に造った天皇の住まい=内裏(皇居)に始まります。遷都後は幾度も火災に遭い、1331(元徳3/元弘元)年、里内裏(さとだいり)のひとつで公家・藤原邦綱の邸宅であった土御門東洞院殿(つちみかどひがしのとういんどの)が、北朝の光厳(こうごん)天皇によって正式な内裏として定められました。その後、1869(明治2)年まで歴代天皇の日常の住居であり、即位の礼など重要な儀式が行われました。
※里内裏:内裏の罹災(りさい)の際、一時的に利用した仮の皇居

日本の建築史を学べる建物

南北約450m、東西約250m。白い築地(ついじ)塀に囲まれた京都御所は1854(安政元)年に焼失し、現在の建物は翌年に徳川幕府によって再建されたものです。紫宸殿・清涼殿・小御所など、用途や役割の異なる御殿が渡り廊下でつながれ、平安時代の寝殿造りや室町時代の書院造りなど、時代に応じた建築様式の建物が並ぶ様子は千年以上も続いた都の歴史そのもの。平安朝の雅な生活をほうふつさせるだけでなく、日本建築史の変遷を見ることができます。

御所マップ

[京都御所の建物] 平安京内裏の様式にのっとり復元を重ね、歴史的に貴重な建築群として知られる京都御所の主な建物を紹介します。

建礼門(けんれいもん)

最も格式の高い門

東西南北にある6つの門のうち一番南側にあり、京都御所の正門にあたります。かつては天皇の出入りだけに開門が許された最も格式の高い門です。

建礼門

小御所(こごしょ)

武家との対面に用いられた場

皇太子の儀式や、将軍や幕府の使者との対面に用いられた建物。鎌倉時代の武家造り風の主殿造りで、内部は上・中・下段の三間からなります。大政奉還後にはここで、徳川家の処分などを決めた「小御所会議」が開かれました。

小御所

清涼殿(せいりょうでん)

平安期の物語にも登場

『枕草子』や『源氏物語』にもその名が登場する天皇の日常の住居。寝殿造りの内部には、朝食をとる「朝餉間(あさがれいのま)」や天皇が着座し臣下と対面した「昼御座(ひのおまし)」などが並びます。

せいりょうでん
ココがツウ

昼御座の左側にしっくいでかためた床の「石灰壇(いしばいだん)」があり、天皇は毎朝そこから伊勢神宮を拝むことを日課としていました

紫宸殿(ししんでん)

御所の正殿

歴代天皇の即位式や節会(せちえ)などの最重要儀式が執り行われた最も格式の高い建物。平安時代の貴族邸宅の様式である寝殿造りで、高床式になっています。内部に高御座(たかみくら=天皇の玉座)と御帳台(みちょうだい=皇后の座)が置かれています。

紫宸殿

ココがツウ

昭和天皇の即位式まではこの紫宸殿で行われましたが、現在の天皇の即位式は東京で行われたため、高御座と御帳台が東京まで空輸で運ばれました

御常御殿(おつねごてん)

豊臣秀吉が新造した日常の御殿

清涼殿に代わり、1589(天正17)年に豊臣秀吉により造られた日常の御殿。室町時代中期以降の住宅様式である書院造り。幼児などを除き天皇以外は男子禁制で、女官・女嬬(にょじゅ)といった女性たちが奉仕しました。

ココがツウ

天皇の元へ女性を案内する役目を務める者を「仲人(なかうど)」と呼び、これが現代の「仲人(なこうど)」の語源となったと言われています

御常御殿

京都御所への拝観は事前申し込み制です。 詳細は宮内庁のホームページをご覧ください。

制作:2011年3月
京都ツウ・ウオーク開催レポート

「王朝の歴史を探る」~桜が彩る京都御所を訪ねて~  2011年4月9日(土)開催

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