京阪沿線の名橋を渡る

京阪沿線の名橋を渡る シリーズ17

中立売橋(なかだちうりばし)

二条城と御所を結んだ公儀橋(こうぎばし)が希少な石造真円(しんえん)アーチ橋として近代化遺産に 若一光司

現在の私たちの暮らしを支える都市基盤の大部分は、幕末期から第2次世界大戦期にかけての、いわゆる「日本の近代期」に、そのベースが形成されている。製鉄所や造船所や製糸場、発電所などの産業施設、それに、道路・橋・ダム・トンネル・鉄道など、交通や土木に関する施設やシステムの多くが、この近代期に開設・整備され、それが発展的に継承されることで、日本の繁栄が築かれてきた。

そうした「近代化」の象徴とも言える施設や建造物が、当時の姿のままで現存する場合、それを「近代化遺産」として保護していこうとの動きが、近年確実に定着しつつある。

このような近代化遺産は全国各地に見られるが、明治維新後の東京遷都で深刻な衰退に直面した京都では、積極的な近代化政策が展開されたことや、戦災を免れたことにより、質の高い多様な近代化遺産が、今も数多く残されている。しかも、それらの近代化遺産が京都ならではの景観美を構成しており、市民の日常生活にも深く溶け込んでいる。

水路閣や蹴上発電所などの琵琶湖疏水関連施設や、京都府庁旧本館、旧日本銀行京都支店(現在の京都文化博物館別館)、中京郵便局庁舎、長楽館、旧京都中央電話局西陣分局舎(現在のNTT西日本京都支店西陣別館)、毎日新聞社京都支局(現在の1928ビル)、そして七条大橋や賀茂大橋など、そうした例は枚挙にいとまがないが、堀川に架かる中立売橋も、そのひとつだ。

平安京造営時からの歴史を誇る堀川に、江戸幕府の手で中立売橋が架けられたのは、1626(寛永3)年のこと。実はこの年の秋に、後水尾天皇の二条城への行幸が予定されており、それを迎える将軍家光と大御所の秀忠は、数年前から二条城を大改築するなど、準備に余念がなかった。

堀川に中立売橋が架けられたのも、この歴史的なイベントに際してであり、これ以降、中立売橋は二条城と御所を結ぶ要路として、幕府の直接管理下に置かれ続けた。

このような「幕府が維持管理する橋」は、当時から「公儀橋」と呼ばれていたが、江戸時代の大坂には、公儀橋がたったの12しかなかった(それ以外の200近い橋はすべて、町人が維持管理する「町橋」だった)。それに対し、幕府が守護に努めた京都では、公儀橋の数が100を超えていた。そしてこれらの公儀橋は、明治維新の後ですべて京都府の管理に移され、順次、近代的な橋への転換が図られた。

中立売橋も1873(明治6)年に、真円のアーチが珍しい石造橋へと架け替えられ、新たに「堀川第一橋」と命名された。京都の人々にとっては身近すぎて、日頃は意識されることが少ないようだが、中立売橋は京都市内における現役最古の石造アーチ橋であり、親柱や高欄なども、架橋当時の姿をとどめている。

◆京都市上京区東橋詰町・役人町 ◆出町柳駅からバス 堀川今出川下車 南へ徒歩約10分

昭和30年代には、橋上の石畳がアスファルト舗装で覆われたが、近年になって再び石畳に戻され、なおさら、近代化遺産としての全貌(ぜんぼう)が把握しやすくなった。しかも、半世紀近く前からコンクリートで底張りされ、単なる排水路と化していた堀川に、京都市水辺環境整備事業によって、清流が復活。今では水辺の 遊歩道から、中立売橋の美しさを堪能することができる。

造形的にも技術的にも、極めて完成度の高い名橋である。

[中立売橋付近をのんびり散策]1.晴明神社/2.聚楽第跡(じゅらくだいあと)/3.樂(らく)美術館/4.西陣織会館/5.白峯神宮

歴史街道

中国料理 美齢

ちゅうごくりょうり めいりん

細い路地奥にたたずむお店。昼は「本日の日替わりランチ」のほか「石焼麻婆豆腐」「海老のチリソース」など、正統派の本格中華が味わえると評判です。夜はコース料理も。

  • 11時30分~14時(L.O.)
    17時30分~21時(L.O.)
    月曜(祝・休日を除く)休業
    ※ほか不定休あり
  • 075-441-7597
  • 京都市上京区寺今町511
  • 出町柳駅からバス 今出川大宮下車 南へ徒歩約5分
おすすめメニュー・店内写真

カフェ・ラインベック

かふぇ・らいんべっく

京都の人気洋菓子店が手掛けるパンケーキ専門店。ふんわりとした食感のパンケーキは、自家製メープルソースとの相性も抜群。築80年以上の町家でゆったりとしたひとときを。

  • 8時~17時30分(L.O.)
    火曜休業
  • 075-451-1208
  • 京都市上京区石薬師町692
  • 出町柳駅からバス 今出川大宮下車 南へ徒歩約5分
おすすめメニュー・店内写真

御菓子司 塩芳軒

おんかしつかさ しおよしけん

1882(明治15)年から続く和菓子店で、店内には色とりどりの生菓子や干菓子が並びます。この界隈が聚楽第であったことにちなむ銘菓「聚楽」は、しっとりとした生地と口溶けの良いこしあんが魅力です。

  • 9時~17時30分
    日・祝・休日休業
    ※月1回水曜不定休
  • 075-441-0803
  • 京都市上京区飛弾殿町180
  • 出町柳駅からバス 今出川大宮下車 南東へ徒歩約10分
おすすめメニュー・店内写真
制作:2016年2月
価格・営業時間・電話番号等が変更される場合がありますので、
おでかけ時には、ご確認くださいますようお願い申し上げます。
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