沿線おでかけ情報

継ぐストーリー #02 Tsugu Story

扉をひらいて、未知の世界へ!

「こ、こんにちは…」

少しドキドキしながら、使い込まれた扉をひらくおけいはん。
するとそこには、味わいのある家具や小物に囲まれた空間が。

「いい雰囲気でしょ? カウンターや全体のつくりは、昔のお店のままなんですよ」

と声をかけてくれたのは、
「喫茶マドラグ」の店主、山﨑三四郎裕宗さんです。

この地で50年近く愛されてきた「喫茶セブン」の店舗を引き継ぎ、
同じく閉店した洋食店「コロナ」の玉子サンドイッチを名物メニューにしている、
こちらのお店。

「いったい、どういうわけで…?」

と、おけいはん、すっかり興味津々です。

97歳のマスターからレシピを直伝!

じつは『喫茶セブン』も洋食店『コロナ』も、三四郎店主がよく通っていた知る人ぞ知る名店。

「多くの人に愛されながら、消えていくのがもったいなくて」

玉子サンドのつくり方は、当時97歳のマスターから直接、この厨房で教わったそうです。

「こちらが『コロナ』のマスター?
貫禄ありますねぇ…」

「でしょう? たとえ味が同じでも、つくるのが僕では“味わい”が違う。
常連さん方に認めてもらうまで、1年以上かけて改良しました」。

何より難しかったのは、レシピ通りにつくるより、お客さんの“思い出”を継ぐことだったようです。

思い出を継ぐ玉子サンドは温かくて、ふわっふわ!

「うわっ、パンも具もふわっふわ‥!」

セブンとコロナ、両方の思い出を味わえることに感動するおけいはんに、

「ほかにも『みゅーず』という名曲喫茶の長椅子、『リバーバンク』のカトラリーなど、閉めてしまったお店の品を譲り受けて使っているんです」

と三四郎店主。

喫茶マドラグを通して、
「“京都の喫茶店”という文化を守りたい」と実感したそうです。

「お客さんがちょっと羽を休められる、
“止まり木”。そういう昔ながらの喫茶店が、この街にありつづけてほしいから」。

上:食器類 from 『リバーパンク』 中:長椅子 from 『みゅーず』 下:in 『喫茶マドラグ』

レトロ喫茶はこころの止まり木、でした!

「喫茶店は“止まり木”‥」

三四郎店主の言葉をかみしめるおけいはん。
いろんなお客さんが立ち寄っては、また元気に仕事や生活に戻っていく。
“レトロ喫茶を継ぐ”って、その大切な一服を守ることでもあるんですね。

「いろんな街の愛され喫茶、もっと探してみたい!」

すっかり夢中になったおけいはん、沿線でどんな“レトロ喫茶”を見つけたのか…くわしくはインスタグラムも見てくださいね。

きょうのレトロ喫茶を継ぐ スポット

喫茶マドラグ

バーのような風格ある店舗は「喫茶セブン」、赤いふたりがけ椅子は「みゅーず」、食器類は「リバーバンク」など、いまは無き京都の名喫茶の思い出にふれられる宝箱のようなお店です。洋食店「コロナ」直伝の「玉子サンドイッチ」のほか、ネルドリップで淹れるコーヒーやクリームソーダも人気。

おすすめ商品
コロナの玉子サンドイッチ: 990円
営業時間
8:00〜18:00(L.O.食事17:00、ドリンク17:30)
定休日
日曜
電話番号
075-744-0067
アクセス
三条駅下車 北西へ徒歩約25分/
地下鉄烏丸御池駅下車 北西へ徒歩約5分 Google Mapを開く>

六曜社珈琲店(地下店/一階店)

1950年開業の老舗を、2代目が地下で、3代目が一階で継ぐユニークな珈琲店です。京都でいち早く取り入れた自家焙煎のコーヒーを、それぞれのお店にふさわしいスタイルで味わえます。タイルや木に囲まれた温もりある空間で、地下店マスターの奥さんお手製のドーナツをかじれば、たちまち常連さん気分に。

おすすめ商品
ブレンド:500円 ドーナツ:180円
※ドーナツは12時より提供(店内のみ)、数に限りがあります
営業時間
[地下店]12:00~22:30(L.O.)/[一階店]8:30~22:00(L.O.)
定休日
水曜
電話番号
075-221-2989(代表)
アクセス
三条駅下車 西へ徒歩約5分 
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フランソア喫茶室

開業は1934年。思わず見とれる内装や調度品のひとつひとつに、創業者やその芸術仲間がつくりだした美への情熱を感じます。いつの時代も、大人のムードに憧れる若者たちに愛されてきた名喫茶で、心に刻まれる思い出のひとときをどうぞ。名物のスイーツやセミウインナーコーヒーも必食です。

おすすめ商品
珈琲(セミウインナータイプ):700円、特製プリン:800円
営業時間
10:00~22:00 (L.O.フード類20:00、ドリンク&ケーキ21:30)
定休日
12月31日〜1月2日
電話番号
075-351-4042
アクセス
祇園四条駅下車 西へ徒歩約5分 Google Mapを開く>

市川屋珈琲

オープン8年目にして名店と評される理由は、18年間「イノダコーヒ」に勤めた店主の誠実さ。築200年の町家をセンス良く活かした空間、具たっぷりのフルーツサンド、清水焼作家の器…。ひとつひとつに「お客さまを喜ばせたい」というこだわりが満ちていて、心からもてなされた気持ちになります。

おすすめ商品
市川屋ブレンド:500円、季節のフルーツサンド 1,180円
※フルーツは季節ごとに変わります。
営業時間
9:00~17:00
定休日
火曜、第2・4水曜
電話番号
075-748-1354
アクセス
清水五条駅下車 南東へ徒歩約15分 Google Mapを開く>

ぎおん石 喫茶室

インパクトある名前のとおり、高級石の専門店2階に併設された、1969年開業の超隠れ家喫茶です。壁から天井を覆う無垢材、泡のような照明、メタルと革張りのソファなど、独創的なインテリアが驚くほど調和し、ゆったりくつろげる空間に。生のレモンをぜいたくに使ったゼリーの酸味にも癒やされます。

おすすめ商品
レモンゼリー:600円
営業時間
11:30~18:30(L.O.)
定休日
水曜、隔週木曜
電話番号
075-561-2458
アクセス
祇園四条駅下車 東へ徒歩約5分 Google Mapを開く>

きょうのレトロ喫茶を継ぐ 関連リンク

京のレトロ喫茶をめぐる京阪沿線のおでかけコラム、
“K PRESS web”に掲載しています!

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