京阪沿線 Art Collection

京阪沿線で開催される、注目の展覧会をご紹介します。今度の休日は、京阪電車で美術館・博物館にでかけてみませんか。

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ルカス・クラーナハ(父) 《ヴィーナス》 1532年	シュテーデル美術館、フランクフルト (c) 2016 DeAgostino Picture Libars/ Scala, Florence

ルカス・クラーナハ(父) 《ホロフェルネスの首を持つユディト》 1525/30年頃 ウィーン美術史美術館 (c) KHM-Museumsverband

ルカス・クラーナハ(父) 《正義の寓意(ユスティティア)》 1537年 個人蔵

ルカス・クラーナハ(父) 《マルティン・ルター》 1525年 ブリストル市立美術館 (c) Bristol Museums, Galleries and Archives

国立国際美術館 渡辺橋駅・中之島駅 クラーナハ展―500年後の誘惑  2017年1月28日(土)~4月16日(日)

16世紀に活躍したドイツ・ルネサンスを代表する画家ルカス・クラーナハ(父)※1。その画業を紹介する大規模な展覧会が国立国際美術館で開催されます。

クラーナハはザクセン公国の都・ヴィッテンベルクの宮廷画家として名を馳せ、日本では彼と親交のあった宗教改革者マルティン・ルターの肖像画で知られます。また、彼はアルプス以北の地において初めて神話の女神を裸婦像として描いた画家でもあり、独特のエロティシズム漂うその女性像は、ピカソやデュシャンなど近現代の芸術家にも影響を与えています。

今回の展覧会では、オーストリア、ドイツ、オランダ、ハンガリー、イタリアなど世界10カ国以上から集まった約90点の作品を通じ、クラーナハの画業の全貌を当時の社会背景や彼に影響を受けた近代美術の巨匠たちの作品を交えて紹介します。

クラーナハを特集する展覧会は日本では今回が初の機会となります。500年という時代を超えても、なお観る者を魅了し影響を与える巨匠の世界を堪能できる貴重な機会です。

※1:同名の息子ルカス・クラーナハ(子)と区別するため、この表記としています

展覧会担当者からのひとこと

クラーナハの名前は知らずとも、教科書などで作品を見たことがある方は多いのではないでしょうか。日本で最も知られているクラーナハの作品は、宗教改革の指導者マルティン・ルターの肖像画でしょう。クラーナハはルターと親交が深く、彼の著書に挿絵を描くなど、宗教改革にイメージを与える役割を担いました。2017年はその宗教改革開始から500年目に当たります。この記念すべき年に開催される今回の展覧会では、ウィーン美術史美術館監修のもと、クラーナハの代表作が世界各地から集結します。繊細ゆえに輸送の難しい板絵作品も多く、またとない貴重な機会となるでしょう。

宮廷画家でありながら優れた企業家でもあったクラーナハは、大規模な工房で絵画を大量生産し、当時の情勢や流行を反映した多彩な作品を手がけました。なかでも印象的なのは、独特なエロティシズムをただよわせた女性像の数々です。男性を誘惑し虜にする女性たちの姿は、クラーナハ芸術の根幹をなすものでした。
例えば裸婦像。『ヴィーナス』と『ルクレティア』という二人の裸婦は、それぞれに奔放な愛と貞淑な愛という、互いに異なる愛のかたちを象徴しています。しかし、作品を見て受ける印象は、「愛とは何か」といった高尚な問い以前に、官能的です。ヴィーナスの胸元に輝くネックレスも、ルクレティアの胸に突きつけられた短剣も、いずれも見る者の視線を裸体そのものへと差し向けます。
また、着衣の女性にしても、クラーナハは「誘惑」をテーマに描きました。その美貌で敵将の懐にもぐりこみ、酒に酔わせて斬首した『ホロフェルネスの首を持つユディト』や、踊りの見返りに生首を所望する『洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ』など、性的魅力によって男を破滅させる、「女のちから」「女のたくらみ」という主題群が数多く描かれています。

クラーナハは当時の人々だけでなく後世の芸術家をも魅了しました。特に、近現代においてクラーナハの作品は既存の西洋画のあり方に囚われない表現として注目され、ピカソやデュシャン、そして日本の森村泰昌まで多くの作家に影響を与えています。会場では、そんなクラーナハからインスピレーションを受けて生まれた近現代の作品をあわせて展示します。古典作品と近現代の作品を同時にご紹介する構成は、日本の展覧会では珍しい試みです。期間中には、クラーナハの絵画から大きな影響を受けた若手作家がクラーナハを語るトークイベントも予定しています。
数百年という時代を経てもクラーナハの作品には芸術家を惹きつけ、触発する力があります。タイトルでは「500年後の誘惑」と表現しましたが、そんな時を超えた“誘惑”の力を、展示を通じて検証できればと思っています。絵画が時代を越えて放つ“誘惑”を、ぜひ会場で作品を通して体感していただければ幸いです。

(国立国際美術館 研究員 福元崇志さん)

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あべのハルカス美術館 淀屋橋駅または天満橋駅のりかえ 地下鉄 天王寺駅、京橋駅のりかえ JR 天王寺駅

マティスとルオー ―友情50年の物語― 2017年4月4日(火) ~ 5月28日(日)

20世紀のフランス絵画を代表する画家、アンリ・マティスとジョルジュ・ルオー。この2人の友情と交流をテーマにした展覧会が、あべのハルカス美術館で開催されます。

色彩画家のマティスと、宗教画を中心に活躍したルオーは、“フォーヴィスム(野獣派)”と呼ばれる原色を多用した表現を特徴とする稀有な画風を確立し、現代までその名が知られています。2人は国立美術学校の同じ教室で学んだ親友であり、2度の世界大戦を挟む激動の時代のなかでも家族ぐるみの交流を続け、互いの芸術への敬意と支援を惜しみませんでした。

この展覧会では、1906年からマティスが没する前年の1953年までに交わされた2人の手紙を交えながら、《スヒーダムの瓶のある静物》をはじめとするマティスの貴重な初期作品や、ルオーの版画集『気晴らし』の油彩原画シリーズ全点など、約140点が展示されます。
2人の画家が50年にわたって育んだ友情と芸術の軌跡を、絵と手紙を通じて体感できます。

アンリ・マティス 《スヒーダムの瓶のある静物》 1896年 マティス美術館、ル・カトー=カンブレジ
アンリ・マティス 《鏡の前の青いドレス》	1937年 京都国立近代美術館
ジョルジュ・ルオー 《聖ジャンヌ・ダルク―古い町外れ》 1951年 個人蔵(ジョルジュ・ルオー財団協力)
ジョルジュ・ルオー 《秋の夜景》 1952年 パナソニック 汐留ミュージアム

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京都国立近代美術館 神宮丸太町駅・地下鉄 東山駅

endless 山田正亮の絵画 2017年3月1日(水)~4月9日(日)

京都国立近代美術館では、抽象画家・山田正亮(やまだ・まさあき)の初となる大規模な回顧展が開催されます。

“描く”ことを自らの人生そのものと捉えていた山田正亮は、世俗や流行に背を向け、東京郊外のアトリエで50年以上に渡り孤独のなかで絵を描き続けました。彼が生涯に残した作品は約5,000点に上ります。日本の戦後を代表する現代画家の一人として高く評価される彼は、近年ではイギリスで個展が開催されるなど欧米でも注目を集めています。

2010年の没後から6年を経て開催されるこの展覧会では、山田の膨大な作品のなかから選りすぐった油彩画約200点を展示。初期に描かれた静物画の連作「Still Life」をはじめ、カラフルなストライプ(直線)やグリッド(方眼)、クロス(十字)などを組み合わせた画面が印象的な「Work」シリーズ、シンプルに画面全体を単色で塗りこんだ「Color」シリーズと、山田の各年代における代表作が並びます。
あわせて、多彩な研究の足跡をうかがわせる紙作品や生前公開されることのなかった膨大な量の制作ノートなどの関連資料も紹介されます。

山田正亮の絵画は、膨大な制作数ながらも、熟練の技巧で丹念に描きこまれ、一点ごとに違う表情を見せます。一途に絵と向き合い、絶え間なく探求を続けた彼の足跡と魅力を体感できる展覧会です。

《Work C.77》1960年 油彩・キャンパス 180×68㎝ 東京国立近代美術館蔵
《Still Life no.64》1953年 油彩・キャンパス 41×53㎝
《Color no.98》1999-年 油彩・キャンパス 65×53㎝

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細見美術館 神宮丸太町駅・地下鉄 東山駅

ヨーロッパ名窯 美麗革命! アール・ヌーヴォーの装飾磁器 2017年2月28日(火)~4月9日(日)

欧米で19~20世紀初頭に流行したアール・ヌーヴォー様式による、ヨーロッパの名窯の装飾磁器作品を集めた展覧会が、細見美術館にて開催されます。

展示品は約180点。フランスのセーブル窯をはじめ、北欧のロイヤル・コペンハーゲンや、ドイツのマイセン、ローゼンタールなど、現在も名を知られているヨーロッパを代表する名窯の優品が多数登場します。さらに、アール・ヌーヴォー様式に大きな影響を与えた日本との結びつきを示す作品や、アール・ヌーヴォーの全盛期にあたる1889年・1900年のパリ万国博覧会の書籍、デザイン画などの関連資料もあわせて展示されます。

東洋美術に倣った動植物のモチーフ、そして流れるような曲線によって構成された優美なデザインがアール・ヌーヴォー様式の特徴です。これに透明釉の下に多彩な色で繊細な模様を施す釉下彩など、新しい技術が合わさり、美麗な装飾磁器が生み出されました。

時を越えて人々を魅了するその美しさをじっくりと味わえる展覧会です。

「釉下彩クロッカス文コーヒーサーヴィス」マイセン 岐阜県現代陶芸美術館蔵
「上絵マーガレット文花瓶」 セーヴル (有)セレスト蔵
「上絵金彩エジプト女性センターピース」(部分) KPMベルリン 岐阜県現代陶芸美術館蔵

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京都文化博物館 三条駅・地下鉄 烏丸御池駅

戦国時代展 ‐A CENTURY of DREAMS‐ 2017年2月25日(土)~4月16日(日)

上杉謙信、武田信玄、毛利元就、そして織田信長と、有名な武将たちが多数活躍した“戦国時代”。その様子を今に伝える貴重な資料を集めた展覧会が、京都文化博物館で開催されます。

展示品は約200点。上杉謙信が正親町天皇から贈られた名刀「五虎退」をはじめとする美麗な武具・甲冑の数々や、華やかな京都の様子を生き生きと描いた狩野永徳筆の国宝「洛中洛外図屏風 上杉本」、昨年大河ドラマでも話題を集めた真田家伝来の戦道具、そして多くの有名武将たちの古文書や肖像画など、日本全国に伝わるさまざまな歴史資料や美術工芸品が一堂に会します。なかには京都展でのみ限定公開される作品も含まれます。

戦国時代といえば、その名前のとおり、戦乱ばかりの時代であったようにイメージされがちです。しかし、実際は各地の有力大名・武将たちが領国の経営に力を入れ、絵画や茶の湯など京都の成熟した文化が各地へ広がり、文化・経済が大いに発展した時期でもありました。そんな戦国時代と当時を生きた人々の知られざる実像に多彩な角度で触れられる貴重な機会です。

国宝 洛中洛外図屏風 上杉本 右隻(部分) 狩野永徳筆 米沢市上杉博物館蔵 ※展示期間:2017年2月25日~3月12日
短刀 銘 吉光 (号五虎退) 個人蔵 ※前期(2017年2月25日~3月20日)展示
重要文化財 真如堂縁起 下巻(部分)掃部助久国/筆 三条西実隆・公助/詞書 外題/後柏原天皇/筆 大永四年(1524)真正極楽寺蔵 ※後期(2017年3月22日~4月16日)展示
埼玉県指定有形文化財 縹糸威最上胴丸具足 室町時代 埼玉県立歴史と民俗の博物館蔵

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展覧会スケジュール2017年3月~5月

 下記の展覧会名をクリックすると展覧会の詳細情報へ移動します。

  • endless 山田正亮の絵画  ● 2017年3月1日(水)~4月9日(日) ● 京都国立近代美術館
  • ヨーロッパ名窯 美麗革命! アール・ヌーヴォーの装飾磁器  ● 2017年2月28日(火)~4月9日(日) ● 細見美術館
  • 戦国時代展 ‐A CENTURY of DREAMS‐ ● 2017年2月25日(土)~4月16日(日) ● 京都文化博物館
  • クラーナハ展―500年後の誘惑 ● 2017年1月28日(土)~4月16日(日) ● 国立国際美術館
  • マティスとルオー ―友情50年の物語― ● 2017年4月4日(火) ~ 5月28日(日) ● あべのハルカス美術館

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