京阪沿線 Art Collection

京阪沿線で開催される、注目の展覧会をご紹介します。今度の休日は、京阪電車で美術館・博物館にでかけてみませんか。

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《母の愛撫》1896年頃 油彩、カンヴァス 38.1×54.0cm フィラデルフィア美術館蔵 Courtesy of the Philadelphia Museum of Art, Bequest of Aaron E. Carpenter, 1970

《眠たい子どもを沐浴させる母親》1880年 油彩、カンヴァス 100.3×65.7cm、ロサンゼルス郡立美術館蔵 Digital Image (c) 2015 Museum Associates / LACMA. Licensed by Art Resource, NY

《桟敷席にて》1878年 油彩、カンヴァス 81.3×66.0cm ボストン美術館蔵 The Hayden Collection-Charles Henry Hayden Fund, 10.35. Photography (c) 2015 Museum of Fine Arts, Boston

《沐浴する女性》1890-91年 ドライポイント、ソフトグランド・エッチング 36.7×26.8cm ブリンマー・カレッジ蔵 Courtesy of Bryn Mawr College

京都国立近代美術館 神宮丸太町駅・地下鉄 東山駅 メアリー・カサット展 2016年9月27日(火)~12月4日(日)

19世紀後半のパリで活躍した印象派の女性画家メアリー・カサットの大回顧展が、京都国立近代美術館で開催されます。

アメリカに生まれたカサットは、画家を志してパリに渡り、印象派を代表する画家エドガー・ドガとの出会いをきっかけに印象派に参加。明るい色彩と軽やかな筆遣いで、身近な人々や家庭の情景、同時代を生きる女性たちの姿を生き生きと描きました。なかでも母子を温かな眼差しで捉えた作品は高い評価を受け「母子像の画家」とも呼ばれています。

日本では35年ぶりとなる今回の回顧展では、カサットが初期から晩年までに手がけた油彩画やパステル画、版画の代表作を中心に、ドガをはじめ交流のあった印象派画家の作品、カサットが影響を受けた日本の浮世絵などをあわせ、約110点が展示されます。

女性の職業画家が少なかった時代、その先駆者として活躍したカサット。その生き方と芸術にじっくりと触れられる展覧会です。

展覧会担当者からのひとこと

メアリー・カサットが生きた19世紀は、ちょうど女性の社会進出が進み始めたころでした。しかしまだまだ女性が家庭の外で仕事を持つことは珍しく、そのうえカサットのように異国であるパリの地で、たったひとりのアメリカ人が生活することは大変難しいことでした。しかし、彼女はくじけることなく、職業画家として生涯を生き抜きました。ほかにも女性画家は当時何人か存在しますが、カサットは数少ない成功した女性画家のひとりです。

そんなカサットが生涯において描き続けたのは、自分と同じ時代を生きる都会の女性たちの姿でした。特に、カサットが描く女性像の特徴がよく表れている作品が、代表作「桟敷席にて」です。華やかな劇場の桟敷席(さじきせき)で、黒いドレス姿の女性がオペラグラスで舞台を見つめる姿が描かれています。黒いドレスは、当時昼間用の外出着として流行したもの。夜の社交場としての劇場で着飾った姿ではなく、普段着で自分の趣味を楽しむ能動的な女性の姿です。男性の目を気にするのではなく、堂々と自分の意思で行動する女性像。それこそが、カサットの思い描く理想の女性像でした。
展覧会では、この「桟敷席」の女性が着ている黒いドレスの実物を、京都服飾文化研究財団(KCI)の協力で、絵画とともに展示する予定です。絵画とドレスから、カサットが描こうとした女性像を感じていただければと思います。

一方で、カサットは母と子の姿をとらえた絵を数多く描いています。カサットは元々ルネサンス絵画など古典絵画を学んでいたため、聖母子像は親しみのある題材でした。そのうえで彼女は、時代を踏まえた新しい聖母子像を表現しようとしたのだと思います。カサットの母子像には、母と子の愛情という普遍的なテーマと、聖母子像の伝統的な構図が見事に融合されています。同時に、あくまで特別な場面ではなく日常の母子のふれあいを描くことで、宗教性にとらわれないありのままの“今”を表現しています。これも、新しい女性像を求めた彼女の思いの表れともいえるでしょう。そのどれもが温かい眼差しが感じられる作品ばかりです。
モデルを務めた母子のほとんどは、カサットの身近な人たちでした。お気に入りのモデルは何度も色々な作品に登場しているので、同じ子の姿を見つけることもできます。探しながらご覧いただくと、より楽しめると思います。

この他にも、ドガをはじめ、カサットが交流を持った印象派の画家たちの作品や、彼女が深い感銘を受け自らもコレクションしていた日本の浮世絵版画など、関連作品もあわせてご紹介します。彼女の絵を構成したさまざまな要素を、見比べていただければと思います。

また、彼女は画家としてだけではなく、優れた芸術を見極める眼を持っていました。彼女は自分の仲間である印象派やまだ若い画家の作品を、交流のあるアメリカのコレクターたちにいち早く薦め、印象派の画家たちの知名度向上に努めました。今日、メトロポリタン美術館などにあるアメリカにおける充実した印象派コレクションを生む礎を担ったのはカサットだったのです。展覧会では彼女のそんな一面にも触れていただきたいと思います。

現代では共働きの家庭も増え、仕事に生きる女性像も珍しくありません。だからこそ、強い意志を持ち、常にバイタリティにあふれ、エネルギッシュに自分の力で人生を切り拓いたカサットの作品や芸術、その生き方に共感を持つ方も多いのではないかと思います。作品とともに彼女の生き方を含めて、楽しんでいただければ嬉しいです。
また、今回はお子さん向けの資料も用意しています。親しみやすい題材の作品も多いので、この機会にぜひ親子でご一緒に美術館へ足を運んでいただければと思います。

(京都国立近代美術館 主任研究員 牧口千夏さん)

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和歌山県指定文化財 真田信繁書状 左京宛 高野山 蓮華定院蔵 (年不詳)6月23日付 1巻 展示期間:9月17日(土)~10月3日(月)

大坂夏の陣図屛風 岐阜市歴史博物館蔵 江戸時代 6曲1双 展示期間:10月12日(水)~11月6日(日)

大阪歴史博物館 天満橋駅・地下鉄 谷町四丁目駅 2016年NHK大河ドラマ特別展 真田丸(さなだまる) 2016年9月17日(土)~ 11月6日(日)

2016年NHK大河ドラマ「真田丸」の特別展が、いよいよ大阪で開催されます!

「真田丸」は主人公・真田信繁(幸村)が動乱の戦国時代を父・昌幸や兄・信幸(信之)ら家族とともに生き抜き、戦国時代の幕を下ろす大坂の陣での活躍に至るまでの生涯を描く物語です。

ドラマと連動したこの展覧会では、信繁をはじめとした真田家を中心に、徳川家康など関連する同時代の武将たちに関する歴史資料を紹介。関ヶ原合戦で石田三成率いる西軍に味方したものの敗れ、紀州・九度山(和歌山県)に幽閉された信繁の生活を伺わせる手紙「和歌山県指定文化財 真田信繁書状 左京宛」をはじめ、国宝や重要文化財、新発見・初公開の品を含む約170点が展示され、信繁の人間像と彼の生きた時代を浮き彫りにします。

また、大阪会場限定公開の展示品も多数登場します。ドラマのタイトルにもなっている信繁が築いた出城「真田丸」を描いた絵図や、豊臣秀吉が愛蔵し大坂の陣後に徳川家へ渡った刀「骨喰藤四郎」をはじめ、信繁が最も活躍した大坂の陣の舞台である大阪会場ならではの品が並びます。

歴史ファンはもちろん、大河ドラマファンもドラマをより深く楽しめる必見の内容です。

展覧会担当者からのひとこと

「真田丸」展は、これまで東京、長野と巡回し、今回の大阪会場が最後となります。
この展覧会は巡回展ではありますが、展示品は開催地域にゆかりの深いものを各会場で公開するため、それぞれ異なっています。特に大阪は、ドラマのクライマックスの時期にあたり主人公・真田信繁が最も活躍した「大坂の陣」の舞台でもありますので、「大坂の陣」関連の資料を中心に大阪会場限定の展示も多数予定しています。ドラマのファンの方はもちろん、大阪の歴史に興味のある方にぜひご覧いただきたい展覧会です。

大阪限定展示のなかでも特に注目していただきたいのが、ドラマのタイトルにもなっている信繁が築いた出城「真田丸」に関する史料です。真田丸は大坂冬の陣のときに作られ、大群で押し寄せる徳川軍を少数の兵で蹴散らしました。しかし戦後の講和に際し徹底的に取り壊されてしまったため、現状ではほとんど手がかりが残っていません。そんな真田丸の当時の姿を今に伝える貴重な絵図を、大阪展では現在確認されている4種類すべてをご紹介します。そのなかには新発見・初公開の品もあり、すべてそろうのは今回の展示が初めてとなります。
絵図はどれも作られた経緯や背景が異なるため、同じ真田丸を描いていながら、それぞれ少しずつ内容が違います。ひとつではなく複数を見比べることで、真田丸の全容が見えてくると思います。絵図を眺めながら、“真田丸”とはどんな場所だったのか、思いを巡らせてみてください。
この他にも、最期の戦いとなった大坂夏の陣の際の信繁を描いた屏風、信繁を「日ノ本一の兵」と評した有名な手紙の実物なども、大阪会場限定で公開します。

信繁をはじめとした真田家、そして関係する人々に関する資料も多数登場します。信繁は大坂の陣では大活躍しましたが、それ以前には謎が多く、本人ゆかりの品はわずかしか残っていません。展覧会では、九度山幽閉時代に父・昌幸に代わって信繁が書いた手紙や、大坂の陣で徳川家康が家臣に命じ信繁を大坂方から引き抜こうとした手紙など、貴重な関連資料をできるだけ集めてご紹介します。ドラマで取り上げられている部分以外で信繁やその周辺の人々がどのようなことをしていたのかを、リアルに感じていただけると思います。

真田家や大坂の陣に関する資料は現在まで残っているものが少ないため、一度にまとまったかたちで見ることができる機会はそうそうありません。会期中に展示替されるものも多いので、ぜひ何度も足をお運びいただければと思います。
また、大阪歴史博物館の目の前には大阪城や大阪城公園がありますし、真田丸跡も徒歩圏内です。展覧会を見た後には、ぜひドラマや歴史の舞台となった大阪の街を実際に歩いてみていただければ嬉しいですね。

(大阪歴史博物館 学芸員 大澤研一さん)

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京都国立博物館 七条駅

特集陳列 生誕300年 与謝蕪村 2016年8月23日 (火)~ 10月2日(日)

江戸時代、絵画と俳句双方において才能を発揮した与謝蕪村。その生誕300年を記念した展覧会が、京都国立博物館で開催されます。

江戸中期の享保元年(1716)に摂津国(現在の大阪市)に生まれた与謝蕪村は、20歳の頃に江戸へ出て俳句を学びます。27歳で敬愛する松尾芭蕉の足跡を辿って東北など諸国を巡った後、35歳を越えてからようやく京都に居を定めました。その後も丹後や讃岐などにも足を運んでおり、結局定住したのは晩年までの15年ほどであったといいます。

展覧会では、松尾芭蕉の代表作「奥の細道」の本文を書き写し、自ら絵を描き加えた俳画絵巻「奥の細道図巻」をはじめ、蕪村が自らの画風を確立した丹後時代・讃岐時代・そして晩年までの作品が展示されます。

この時期に生み出された中国絵画に学んだ柔らかなタッチと淡い色彩の山水画、そしてユーモアのセンスにあふれる親しみやすい俳画は蕪村の真骨頂です。
この機会に蕪村の魅力を味わってみてはいかがでしょうか。

重要文化財 奥の細道図巻 上巻(冒頭場面)京都国立博物館

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細見美術館 神宮丸太町駅・地下鉄 東山駅

琳派展18 京の琳派 ―美を愉しむ― 2016年9月10日(土) ~ 11月6日(日)

細見美術館では、尾形光琳の没後300年、そして近代を代表する琳派作家・神坂雪佳の生誕150年を記念し、細見美術館のコレクションで京の琳派を紹介する展覧会が開催されます。

展示品には、江戸時代から近代にいたるまで、各時代を代表する琳派作家による作品が並びます。
江戸初期、平安の美意識を新たな視点で創作し琳派を生み出した本阿弥光悦と俵屋宗達。江戸中期、生活を彩る雅やかな京のデザインを数多く生み出した尾形光琳・乾山兄弟。江戸後期、宗達や光琳の自由な気風に触発され「たらし込み」を駆使した親しみやすい琳派を作り出した中村芳中(なかむら・ほうちゅう)。そして明治以降に工芸図案家として琳派を研究し温かみのあるデザインを提唱した神坂雪佳。
絵画や陶芸作品、工芸品など、さまざまなジャンルに時代を超えて受け継がれた琳派の流れと特徴を、時代を追ってたどっていきます。

京都における琳派は、生活空間を豊かに彩る身近な美として、現代まで親しまれてきました。日々の生活のなかに脈々と息づいてきた琳派の美をこの機会に愉しんでみてはいかがでしょうか。

神坂雪佳「月に秋草図団扇」細見美術館
尾形光琳「柳図香包」細見美術館
本阿弥光悦 書/俵屋宗達 下絵 「月梅下絵和歌書扇面」細見美術館

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展覧会スケジュール2016年9月~11月

 下記の展覧会名をクリックすると展覧会の詳細情報へ移動します。

  • メアリー・カサット展 ● 2016年9月27日(火)~12月4日(日) ● 京都国立近代美術館
  • 琳派展18 京の琳派 ―美を愉しむ― ● 2016年9月10日(土) ~ 11月6日(日) ● 細見美術館
  • 特集陳列 生誕300年 与謝蕪村 ● 2016年8月23日 (火)~ 10月2日(日)  ● 京都国立博物館
  • 2016年NHK大河ドラマ特別展 真田丸(さなだまる) ● 2016年9月17日(土)~ 11月6日(日) ● 大阪歴史博物館

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