京阪沿線 Art Collection

京阪沿線で開催される、注目の展覧会をご紹介します。今度の休日は、京阪電車で美術館・博物館にでかけてみませんか。

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国宝 鳥獣人物戯画(甲巻) 平安時代 高山寺蔵 (後期展示場面:11/5~11/24)(部分)

国宝 鳥獣人物戯画(乙巻) 平安時代 高山寺蔵 (後期展示場面:11/5~11/24)(部分)

国宝 鳥獣人物戯画(丙巻) 鎌倉時代 高山寺蔵 (前期展示場面:10/7~11/3)(部分)

国宝 鳥獣人物戯画(丁巻) 鎌倉時代 高山寺蔵 (前期展示場面:10/7~11/3)(部分)

国宝 明恵上人像(樹上座禅像) 鎌倉時代 高山寺蔵 (前期展示:10/7~11/3)

重要文化財 子犬 鎌倉時代 高山寺蔵 (全期:10/7~11/24)

京都国立博物館 七条駅 修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺 2014年10月7日(火)~11月24日(休・月)

日本で最も有名な絵巻物のひとつであり、世界的にもマンガやアニメのルーツとして知られる「鳥獣人物戯画」(国宝)。その4年間にわたる全面修理完了を記念し、京都国立博物館にて特別展覧会が開催されます。

「鳥獣人物戯画」は平安時代に描かれた甲・乙巻、鎌倉時代に描かれた丙・丁巻の4巻で構成された作品です。なかでも、擬人化されたウサギやカエル、サルなどの動物たちが生き生きと描かれた甲巻がよく知られています。
展覧会では、その甲巻を含めた4巻すべてが修理完了後初めて公開されます。前後期に分けて、幅10m以上もある絵巻に描かれた全場面が修復過程とともに展示されます。

また、「鳥獣人物戯画」を所蔵している世界遺産・高山寺(こうさんじ)と、その中興の祖・明恵上人(みょうえしょうにん)についてもあわせて紹介。上人の肖像画をはじめ、上人ゆかりの可愛らしい動物彫刻、上人が制作に関わったといわれる「華厳宗祖師絵伝(けごんしゅうそしえでん)」(国宝)など、高山寺に伝わる名宝が多数展示されます。

時代を越えて愛され続ける作品と、それを守ってきた高山寺の魅力をたっぷりと楽しめる展覧会です。

企画担当者からのひとこと

「鳥獣人物戯画」は、日本人に最もよく知られている絵画のひとつですが、実物をご覧になったことがある方は少ないかもしれません。
この展覧会は「鳥獣人物戯画」修理完了のお披露目として、ぜひ多くの方に実物をご覧いただく機会をつくることを目的に企画しました。修理で判明した新発見や修復作業の様子、修復前後の違いについても展示しますので、あわせてご覧いただくと、より作品を楽しんでいただけると思います。

今回は、ウサギやカエルが活躍するおなじみの甲巻はもちろん、他の3巻も同時公開します。これは京都国立博物館でも約30年ぶりのことです。甲巻以外の巻はご存知ない方も多いかもしれません。この機会にぜひご注目いただきたいです。
乙巻は馬や牛といった実在の動物から、龍や麒麟(きりん)など空想の生き物までが描かれた動物図鑑のようになっています。丙巻は前半が人間たち、後半が擬人化された動物たちが力比べや競争など勝負事に興じる様子を描いています。前半と後半で内容が違っている理由は長らく謎となっていましたが、今回の修理にともなう調査で、前半と後半が元々1枚の紙の表裏に描かれていたことが新たに判明しました。丁巻は人間が主役で、お坊さんと山伏の対決や、仮装した人が音楽に合わせて踊る様子など、中世の人々の日常や風俗が生き生きと描かれています。

「鳥獣人物戯画」は絵巻物には珍しく、詞書(ことばがき/ストーリーを記した文章)がありません。そのため純粋に絵の面白さを味わえる作品となっています。
どの巻においても、キャラクターの表情や動きの豊かさ、レイアウトなどにより、静止画でありながら非常に躍動感や時間の流れを感じさせます。これが、アニメやマンガのルーツといわれるゆえんでしょう。ユーモラスで風刺のきいた表現も、「鳥獣人物戯画」の魅力です。甲巻には、サルのお坊さんがカエルの仏様に経をあげている有名な場面がありますし、丁巻では経をあげるお坊さんの前の掛け軸が仏画ではなくて骸骨のような絵になっているところがあります。このように、各巻に面白いポイントがたくさんありますので、隅々までじっくりと眺めてみてください。

また、今回の展覧会では「鳥獣人物戯画」の所蔵元である高山寺と、開祖・明恵上人についてもご紹介します。
明恵上人は動物に関わりの深い人で、そのためか高山寺の宝物には動物にまつわる作品が多く見られます。今回の展示品を見ても、「明恵上人像(樹上坐禅像)」(国宝)には、森の中で座禅する上人の周囲に小鳥やリスの姿が描かれていますし、リアルな鹿の像は、上人が奈良の春日大社に詣でた際に鹿が座って上人を出迎えたという逸話からきたもの。可愛らしい子犬の彫像は上人が生前とても大切にしていたと伝えられています。そんな明恵上人と動物とのゆかりがあったからこそ、高山寺に「鳥獣人物戯画」が納められたのかもしれません。
その他、明恵上人も制作に携わったといわれる「華厳宗祖師絵伝」や、上人が自分の見た夢を日々書き記した「夢記」なども見どころです。高山寺は普段なかなか足を運びにくい場所でもありますので、この機会にその貴重な文化財をご覧いただければと思います。

このほかにも、会場内には秘密の仕掛けもご用意していますので、小さなお子さんから大人までどなたにも楽しんでいただける展覧会となっています。ぜひご家族で足をお運びください。

(京都国立博物館 学芸部 副部長・上席研究員 赤尾栄慶さん)

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クロード・モネ 《ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)》 1876年 1951 Purchase Fund 56.147

エドヴァルド・ムンク 《夏の夜の夢(声)》 1893年 Ernest Wadsworth Longfellow Fund 59.301

歌川広重 《東海道五拾三次之内 岡崎 矢矧之橋》 江戸時代 天保4年(1833)頃William Sturgis Bigelow Collection 11.17253

ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー 《オールド・バターシー・ブリッジ》 1879年 Gift of Mrs. Walter Scott Fitz M21275

ティファニー工房 ルイス・カムフォート・ティファニー 《”葡萄蔓”デスクセット(箱、用箋カバー、ペン・トレイ、レター・ラック》1899-1928年Anonymous gift in memory of John G. Pierce, Sr. RES.65.53,57,59,60

All Photographs(c)2014 Museum of Fine Arts, Boston

京都市美術館 神宮丸太町駅・地下鉄 東山駅 ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美 2014年9月30日(火)~11月30(日)

世界屈指の印象派と日本美術のコレクションで知られるボストン美術館のコレクションから、ジャポニスムに関する作品約150点を集めた展覧会が、京都市美術館で開催されます。

19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、西洋では日本美術が大流行しました。大胆な構図と色使い、独特の装飾的な表現は西洋の芸術家たちに大きな影響を与え、その後の西洋美術を大いに変えることになりました。この現象をジャポニスムといいます。

展覧会には、歌川広重や喜多川歌麿(きたがわ・うたまろ)などボストン美術館が誇る浮世絵コレクションをはじめ、モネやドガ、ルノワール、ゴッホなど日本美術に強い影響を受けた印象派の画家たちによる名品が登場。特に、真っ赤な日本の着物をまとった女性を描いたモネの代表作「ラ・ジャポネーズ」は、修復後世界初公開となる作品です。
そのほかにも、ティファニー社による日本のデザインや技術を取り入れた工芸品、版画や素描、写真など幅広いジャンルの作品が展示されます。

西洋の美術を変えた日本の美術品と、そこから生まれた新たな美を同時に見比べながら楽しめる、世界屈指の美術館のコレクションが堪能できる展覧会です。

企画担当者からのひとこと

今回の展覧会は、今年の初めにアメリカで開催された展覧会をベースに、改めて日本展向けに内容を組み直し、開催するものです。今までにも、ボストン美術館のコレクション展は日本で開催されてきましたが、今回はさまざまな分野の作品が一堂に会し、コレクション自体の魅力をより感じていただける内容となっています。

ボストン美術館の日本美術コレクションは19世紀半ばから20世紀初頭、日本美術が欧米で大流行した時代に収集されたものが基礎となっています。また、同じ頃に活動していた印象派の画家たちは日本美術の影響を受けた作品を多く残しています。当時のアメリカではそんな印象派が最先端の美として人気を集め、ボストン美術館でも印象派の作品を盛んに収集していました。同じ時代における複数の美術の動きや関連性を同時に見ることができる―、これはボストン美術館の近代美術コレクションならではの特色です。

今回はその特色を活かし、浮世絵など日本の美術品と関連する西洋の美術品をあわせて展示します。例えば、ホイッスラーの「オールド・バターシー・ブリッジ」と、歌川広重の「東海道五拾三次之内 岡崎 矢矧之橋(やはぎのはし)」。角度や向きは違いますが、橋を画面両端いっぱいに描き、その向こうに遠くの建物を見せることで遠近感を強調した構図はよく似ています。ほかにも、主役であるはずの人物を中心からずらして配置し、樹木の間に海をのぞかせる構図が特徴的なムンクの「夏の夜の夢(声)」。これについては広重の浮世絵に似た構図の作品があります。このように、関係性のある作品同士を並べて展示していますので、両者を対比しながらご覧いただければと思います。

そのほか、珍しいものでは浮世絵で用いられる構図の取り方に影響を受けた写真なども展示され、工芸品の分野ではティファニー社やガレなどの作品が登場します。
元々ジャポニスム自体は工芸品の分野から始まったもので、ユニークな作品が多数作られています。ティファニー社は、染物で使う伊勢型紙の文様を食器のデザインに取り入れています。日本ではあくまで道具としてとらえられていた型紙そのものを、欧米では優れた意匠とみなしたのです。この視点や発想の違いも楽しめるのではないかと思います。

ジャポニスムは当初、あくまで物珍しさや異国趣味の一環としての動きでした。その後、西洋美術の表現やあり方そのものに影響を与え、新しい美術を生み出す原動力となっていきました。その一連の流れが、ボストン美術館のコレクションには凝縮されています。
どれだけ日本の美術が西洋に大きなインパクトを与えたものだったのか、素晴らしいコレクションを通して感じてみてください。

(京都市美術館 学芸員 後藤結美子さん)

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《灰色と黒のアレンジメント No.2:トーマス・カーライルの肖像》 1872-73年 グラスゴー美術館 (c)CSG CIC Glasgow Museums Collection
《ノクターン:青と金色―オールド・バターシー・ブリッジ》 1872-75年 テート美術館 (c)Tate, London 2014
《白のシンフォニー No.2:小さなホワイト・ガール》 1864年 テート美術館 (c)Tate, London 2014
《紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン》 1864年 フィラデルフィア美術館 (c)Philadelphia Museum of Art

京都国立近代美術館 神宮丸太町駅・地下鉄 東山駅 ホイッスラー展 2014年9月13日(土)~ 11月16日(日)

京都国立近代美術館では、19世紀末の欧米で最も影響力のあったアメリカ人画家・ホイッスラーの大規模な回顧展が開催されます。

ホイッスラーが活躍した当時、欧米では日本美術の大流行現象“ジャポニスム”が起きていました。ホイッスラーは日本の美術・工芸品にインスピレーションを得て、色彩と画面構成を重視した独自の画風を確立し、同時代の芸術家に大きな影響を与えました。そのことから「ジャポニスム」の先駆者としても世界的に知られています。

展示作品として、アメリカ、イギリス、フランスの20ヵ所以上もの美術館や所蔵元から集まった約130点が登場。「白のシンフォニー No.2:小さなホワイト・ガール」「ノクターン:青と金色―オールド・バターシー・ブリッジ」をはじめとした油彩の代表作や、柔らかなタッチが魅力の水彩画、卓越した技術を駆使した版画など、初期から晩年までの代表作が勢ぞろいします。
ホイッスラーに大きな影響を与えた日本の浮世絵や東洋の陶磁器など、生前のコレクションや所持品も紹介されます。また、ホイッスラーが自らの美学を空間に体現した室内装飾「ピーコック・ルーム」(フリーア美術館)の詳細な特別映像展示も行われます。

ホイッスラーの本格的な展覧会は、日本では27年ぶりであり、世界的にも20年ぶりになります。日本の美に刺激を受け、西洋美術に新風を吹き込んだ巨匠の全貌に触れられる貴重な機会です。

展示担当者からのひとこと

ホイッスラーは、明治時代の日本でもすでに名が知られていた画家でしたが、残念ながら総合的に紹介する機会がなかなかありませんでした。待望の回顧展となる今回は、アメリカのボストン美術館、イギリスのテート美術館など世界各地から作品が集まり、これまでにない充実した内容となっています。

ホイッスラーは生涯のなかで、ほぼ人物画と風景画しか描いていません。そこで今回は、3章にわけ、1章では人物画、2章では風景画、3章では特にジャポニスム要素のわかりやすい作品を紹介する構成となっています。モチーフごとに彼の画風がどのように確立していったのか、その流れをご覧いただきたいです。

ホイッスラーは、それまでの西洋美術のセオリーであった主題性や物語性といった意味を絵に求めることを否定し、純粋に絵そのものの美しさを重要視するべきという“唯美主義”を主導していました。彼の画風はこの考えに基づいています。
例えば、ホイッスラーの作品には「白のシンフォニー」「ノクターン」のようにしばしば音楽用語がタイトルとなっていますが、その絵に音楽的要素があるわけではありません。彼はこの考えのもと、絵と直接関係のないタイトルをつけることで絵の主題性を否定したのです。
また「トーマス・カーライルの肖像」は、カーライルという人を知っている人が見ればモデルが誰かわかりますが、絵自体にはモデルが何者かを示す要素は全く描かれていません。この絵の価値はモデルの配置や灰色の壁と黒い服のコントラストの美しさであり、モデルが誰なのかは重要ではないのです。
このようなホイッスラーの画風を確立するうえで、ジャポニスムは大きな原動力となっていました。ホイッスラーの日本美術からの影響は、色のバランスや画面構成に重きを置いた画風のほか、絵のモチーフや花押風、琳派の印章風にデザインされたサインなど随所に見られます。彼にとってのジャポニスムは、単なる模倣や異国趣味的なものではなく、それまでの西洋の伝統とは異なる“新しい美”の象徴でもありました。ホイッスラーがジャポニスムの何に惹かれたのか、作品を見比べながら感じていただければと思います。

なお、先に挙げた作品はすべて油彩画ですが、今回の展示品のうち半数以上は版画作品で構成されています。ホイッスラーはもともと版画で名を知られるようになった作家で、特にエッチング(銅版画)に優れた作品が多くあります。版の平らな面にわざとインクをふき残すことで微妙な陰影や空気感を表現している点などには、卓越したテクニックを感じられます。油彩画に有名な作品が多いため、そちらが注目されがちですが、この機会にぜひ版画にも目を向けていただければ嬉しいです。

(京都国立近代美術館 主任研究員 池田祐子さん)

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京都文化博物館 三条駅・地下鉄 烏丸御池駅

野口久光 シネマ・グラフィックス 魅惑のヨーロッパ映画ポスター展 2014年10月7日(火)~12月7日(日)

戦前・戦後の映画黄金期に活躍した映画ポスターデザイナー、野口久光(のぐち・ひさみつ)。その世界をグラフィックデザインの観点から振り返る展覧会です。

展示作品は、『第三の男』『禁じられた遊び』『旅情』など、野口が描いた著名な欧州映画のポスターを中心とした約300点。どれもヨーロッパ映画の気品や空気感をとらえ、単なる広告とは一線を画す芸術作品となっています。
特に、ハイネックのセーターで口元を隠した少年が印象的な『大人は判ってくれない』(1960年日本公開)のポスターは、監督であるフランソワ・トリュフォーからも絶賛された映画史に残る傑作です。

映画ポスターのほかにも、野口が装丁を担当した本や雑誌、レコードジャケット、そして往年の映画スターやジャズメンを描いたポートレート、デッサンなど、幅広い活動内容をしのばせる品々も紹介。また、野口自身が編集を行った欧州映画の名場面集や、映画の予告編集などの映像も展示されます。

会期中には、野口がポスターを手がけた往年の名画の上映会や、映画音楽のジャズコンサートも開催。魅力的なグラフィックで描かれた映画と音楽の世界を、多彩なアプローチで味わうことができます。

『大人は判ってくれない』(日本公開/1960年) 『第三の男』(日本公開/1952年) 『禁じられた遊び』(日本公開/1953年)

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国立国際美術館 渡辺橋駅・中之島駅

ジャン・フォートリエ展 2014年9月27日(土)~12月7日(日)

戦後フランスを代表する抽象画家ジャン・フォートリエの没後50年を記念し、日本で初となる本格的な回顧展を開催。初期から晩年までの油彩画、素描、版画、彫刻など約100点が国内外から国立国際美術館に集まります。

見どころは、フォートリエの名を一躍有名にした代表作であり、大きな転換点でもあった「人質」シリーズです。今回はそのなかから、絵画10点と彫刻2点が出展されます。
第二次世界大戦の直後に発表された「人質」シリーズ。戦争に抑圧された人間の姿を激しく、ゆがんだ抽象的な形で描いたもので、その主題と絵の圧倒的な存在感でヨーロッパの画壇に大きな衝撃を与えました。
また、フォートリエの特徴である鋭く細い線描と絵具を厚く盛り上げることで生まれるごつごつとした独自の絵肌は、この作品で確立されました。
そのほかにも、これまで紹介される機会がなかった初期の写実的な作品も展示されます。さらに、1959(昭和34)年にフォートリエが日本で初めて個展を開催した際に出品され、20世紀後半の日本の美術界に大きな影響を与えた「黒の青」をはじめとする晩年の作品も登場します。

写実的だった初期から、重厚感ある「人質」の時代、そして晩年へと、画風も色使いも大きく変化させながら、人間や自然をテーマに自らの絵画を追求し続けたフォートリエ。その知られざる画業の全貌を作品を通して見ることのできる展覧会です。

《悲劇的な頭部(大)》1942 年 パリ国立近代美術館蔵 (c)Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / Droits réservés / distributed by AMF (c)ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2014 D0767 《人質(人質の頭部 No. 9)》1944 年 大原美術館蔵 (c)ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2014 D0767 《黒の青》1959 年 個人蔵 (c)ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2014 D0767

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細見美術館 神宮丸太町駅・地下鉄 東山駅

神尾勇治コレクション 仙厓と鍋島 ―美と向き合う、美を愉しむ― 2014年10月4日(土)~12月14日(日)

40年以上のキャリアを持つ古美術コレクター・神尾勇治氏のコレクションから、江戸時代の禅僧・仙厓(せんがい)の禅画と高級磁器・鍋島焼の名品を紹介する展覧会です。

仙厓は、博多(福岡県)の寺院で20年間住持をつとめながら、洒脱でユニークな禅画を数多く描き、現在も多くの人に愛されています。布袋が伸びをしている姿を描いた可愛らしい「布袋画賛(ほていがさん)」や、悟りの境地を示す丸い円に“これを茶菓子だと思って食べなさい”と書き添えた「円相画賛(えんそうがさん)」など、ユーモアたっぷりで温かみのある作品が魅力です。

鍋島焼は、17~19世紀にかけて九州の佐賀藩(鍋島藩)が藩直営の窯で生産させていました。「色絵五方唐花梅形皿(いろえごほうからはなうめかたざら)」に見られるように、洗練された優美なデザインと鮮やかな色絵、精巧な技術が高く評価され、将軍への献上品、大名・公家への贈答品などとして珍重されます。明治時代に窯が廃されたため鍋島焼は作られなくなりましたが、その伝統と技は現在の有田焼などに受け継がれています。

仙厓の絵と鍋島焼、作品ジャンルは異なりますが、どちらも九州で育まれた美術品です。神尾氏がその審美眼で選びぬいた九州の名品たちを堪能してみてはいかがでしょうか。

鍋島 色絵櫻花籠文皿 鍋島 色絵五方唐花梅形皿 仙厓 布袋画賛 仙厓 円相画賛

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京都国立博物館 七条駅

平成知新館オープン記念展 京へのいざない 2014年9月13日(土)~11月16日(日)

京都国立博物館では、新館である平成知新館(常設展示館)のオープンを記念して、博物館が所蔵する名品を一挙公開する展覧会が開催されます。展示品は、国宝が50点以上、重要文化財が110点以上、総数にして約400点以上という大規模な展覧会です。

分野別になっている展示室では、各部屋にテーマが設定され、絵画・書跡・彫刻・工芸・考古から選ばれた作品が勢ぞろいします。
なかでも特別展示室では、1期に「肖像画」をテーマとして、京都の社寺に伝わる優れた肖像画作品を紹介します。日本の肖像画の最高傑作とされる「伝源頼朝像(でん みなもとのよりともぞう)」「伝平重盛像(でん たいらのしげもりぞう)」(ともに国宝)をはじめ、教科書にも登場するような偉人達の肖像画を見ることができます。
2期には「桃山 秀吉とその周辺」と題し、天下人・豊臣秀吉に関する品々を展示。自筆の手紙や最近修復が完了した美しい錦の陣羽織「鳥獣文様陣羽織(ちょうじゅうもんようじんばおり)」(重要文化財)、生前用いていた漆塗の食器など、秀吉のさまざまな側面を今に伝える遺品が公開されます。

そのほかにも、雪舟の「天橋立図」(国宝)をはじめ、狩野永徳や長谷川等伯といった有名絵師による絵画や、仏像・仏画、刀、陶磁器などが登場します。期間中には随時入れ替えが行われ、足を運ぶたびに違う展示品を見ることができる点もこの展覧会の魅力です。

京都国立博物館が誇る貴重な文化財の数々を大規模なボリュームで楽しめることは、オープニング展ならではの内容です。新館の魅力とあわせて、堪能してみてはいかがでしょうか。

国宝 伝平重盛像 神護寺 国宝 伝源頼朝像 神護寺 【展示期間】9/13~10/13 国宝 天橋立図 雪舟筆 京都国立博物館 【展示期間】9/13~10/13 重要文化財 鳥獣文様陣羽織 豊臣秀吉所用 高台寺 【展示期間】10/15~11/16 重要文化財 枯木猿猴図のうち 長谷川等伯筆 龍泉庵 【展示期間】10/15~11/16

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大阪市立東洋陶磁美術館 なにわ橋駅・北浜駅・淀屋橋駅

特別展 IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器 2014年8月16日(土)~11月30日(日)

大阪市立東洋陶磁美術館では、日本を代表する磁器のひとつ「伊万里焼」の特別展が開催されます。
今回は、同館が所蔵する作品のなかでも、日本初公開となる海外輸出用の伊万里焼を中心に、サントリー美術館や佐賀県立九州陶磁文化館の所蔵品を加えた約190点の作品が展示されます。

伊万里焼は、17世紀初めに肥前国(ひぜんのくに)、現在の佐賀県有田一帯で作られるようになり、17世紀中ごろにはオランダ東インド会社によって世界各地に輸出されるようになりました。特にヨーロッパの王侯貴族には実用品・室内装飾品として愛好され、「IMARI(伊万里)」の収集が一種のステータスシンボルとなっていました。

展示品にも、「染付高蒔絵牡丹唐獅子文大壺・広口大瓶(そめつけたかまきえ ぼたんからじしもん おおつぼ・ひろくちおおびん)」など、宮殿などの室内装飾用に作られた高さが80cm以上もある大型作品が登場します。また、ヨーロッパで人気だった漆塗り風の文様をあしらった「色絵龍虎文大壺(いろえ りゅうこもん おおつぼ)」や、特注で西洋のモチーフを描いた「色絵ケンタウロス文皿」など、ヨーロッパの好みや文化を意識した輸出向けならではのユニークな作品も見ることができます。

ヨーロッパの華やかな貴族文化を彩った、伊万里焼の魅力を味わえる展覧会です。

染付高蒔絵牡丹唐獅子文大壺・広口大瓶 江戸時代・1700~1740年代 有田窯 佐賀県立九州陶磁文化館蔵 色絵龍虎文大壺 江戸時代・1700~1740年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 撮影:三好和義 色絵ケンタウロス文皿 江戸時代・1700~1730年代 有田窯 大阪市立東洋陶磁美術館蔵 撮影:三好和義

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展覧会スケジュール2014年10月~12月

 下記の展覧会名をクリックすると展覧会の詳細情報へ移動します。

  • ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美 ● 2014年9月30日(火)~11月30(日)● 京都市美術館
  • ホイッスラー展 ● 2014年9月13日(土)~ 11月16日(日)● 京都国立近代美術館
  • 神尾勇治コレクション 仙厓と鍋島 ―美と向き合う、美を愉しむ― ● 2014年10月4日(土)~12月14日(日) ● 細見美術館
  • 修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺 ● 2014年10月7日(火)~11月24日(休・月)● 京都国立博物館
  • 平成知新館オープン記念展 京へのいざない ● 2014年9月13日(土)~11月16日(日) ● 京都国立博物館
  • 野口久光 シネマ・グラフィックス 魅惑のヨーロッパ映画ポスター展 ● 2014年10月7日(火)~12月7日(日) ● 京都文化博物館
  • ジャン・フォートリエ展 ● 2014年9月27日(土)~12月7日(日) ● 国立国際美術館
  • 特別展 IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器 ● 2014年8月16日(土)~11月30日(日)  ● 大阪市立東洋陶磁美術館

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