京都ツウ・ウオーク

渉成園 ©真宗大谷派(東本願寺)

「五条界隈に伝わる文学ゆかりの地」〜女流文化の粋と平安の雅を感じて〜

今回は、源氏物語を中心に、渉成園など文学ゆかりの地を巡ります。

レポート風景

11月のさわやかな秋空のもと、第10回京都ツウ・ウオークが開催されました。
今回は、源氏物語を中心に、文学ゆかりの地を巡ります。
清水五条駅に集合し、五条通界隈を歩きます。

レポート風景

五条大橋を渡っていきます。

レポート風景

五条通にまつわる伝説に「弁慶と牛若丸」のお話があります。2人が出会ったのが五条の橋の上といわれていますが、平安京当時の五条通ですから、2人が出会ったのは今の二筋北の松原通ということになります。

五条通から木屋町通を南へ。
この辺りには、嵯峨天皇の10番目の皇子・源融(みなもとのとおる)の大きな別荘があった場所で、「河原院(かわらのいん)」と呼ばれていました。
ところでこの源融、和歌や武芸に秀で、何よりも男らしく女性にももてた…ということで、かの『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルだといわれています。ただし、紫式部と源融は生きた時代が100年ほど違います。
源融はたいへんな有名人で、当時いろんな人の日記などにその名が書かれていたようです。
紫式部は子供の頃から読書家であったため、そういった書物も読んでいて、彼のことを知ったようです。

レポート風景

別荘の跡には榎木の大木があり、河原院にあった森の名残りだと伝えられています。
そばには小さな社と鳥居が立ち、この榎木を神木として榎大明神が祭られています。

レポート風景

レポート風景

河原町通を横切り、万寿寺通(まんじゅじどおり)に入っていきます。
この道の先には、かつて万寿寺というお寺があり、それにちなんでこの通り名がつけられました。
万寿寺そのものは移転(現在は東福寺の塔頭)してしまいましたが、通り名だけが残っています。
非常に大きなお寺でしたので、この通り沿いには仏壇仏具店がたくさん立ち並んでいました。
少なくなったものの、今でもお店が並んでいます。

レポート風景

万寿寺通から一筋北の松原通。

松の木が美しく並んでいたことから付けられたと言われています。
松原通を東へ進みます。
するとある場所に、小さな床屋さんがあります。
すでに閉店しているのですが、外観はそのまま残されており、よく見ると壁に「祇園床(ぎおんどこ)」と刻まれています。実は松原通は、昭和30年まで祇園祭の山鉾巡行路の1つでした。この場所が巡行中の長刀鉾の最初の休憩場所となっていたのです。
現在でも7月14日に、長刀鉾のお稚児さんが挨拶に来ています。

レポート風景 ※夕顔の墓は非公開です

堺町通を北上して、一軒の家の前で止まりました。
そこには石碑が立てられていて「源吾伝説五條辺 夕顔之墳」と刻まれています。

レポート風景

源氏物語に登場する女性・夕顔のお墓がこの家の中にあります。
といっても夕顔は実在の人物ではありません。

実際に起こったことを元に小説やドラマ・映画を作ることはよくありますが、物語を元にしてまるで事実であるかのように捉えられ、誰もが受け入れてしまえるというのは『源氏物語』だからこそ。
この辺りは「夕顔町」といい、町名としても残っています。

レポート風景

堺町通に「鉄輪(かなわ)の井」があります。

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鉄輪とは五徳(ごとく)とも言い、火鉢の中に設置し、その上にやかんを乗せてお湯を沸かしたり、網を乗せてお餅を焼いたりします。
ここにはかつてこのあたりに住んでいた女性が、夫が自分を捨てて別の女性の元へ走ったことを怨み、丑の刻参りを行ったという伝説があります。これは、逆さまにした鉄輪を頭に乗せ、鉄輪の足にろうそくを立てた姿で、丑の刻(夜中の2時)に貴船神社に7日間通うと相手を呪い殺すことができる、というもの。近くにあった井戸は残り、やがてこの井戸水を飲ませた相手と縁を切ることができるという「縁切り伝説」が生まれました。

レポート風景

細い道の奥にあり、そばには近所の商売人が祭ってるお稲荷さんのほこらもあります。
井戸の水を飲むことはできませんが、今ではペットボトルを井戸の上に置き、それを相手に飲ませると縁が切れる、という現代らしい話が生まれています。

レポート風景

五条通を再び渡って富小路通を南へ進むと、すぐにお寺がありました。子宝に恵まれると有名な上徳寺(じょうとくじ)で通称「世継ぎさん」。

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境内の奥にお地蔵さんが祭られていて、お参りをすると「良い世継ぎ」に恵まれるとされています。
2月8日には、大きな法要が営まれます。
この日にお詣りすると、1億日分のご利益があるということで、大勢の人で賑わいます。

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長講堂へやってきました。
ここは通常非公開のお寺ですが、今回は特別にご住職のお話を聞くことができました。

後白河法皇にゆかりのあるお寺です。 法皇は力を付けた平清盛に対抗すべく木曾義仲を立ててみたものの義仲とはうまくいかず、返って義仲に法住寺殿(ほうじゅうじでん・今の法住寺のあたりに立てられた法皇の邸宅)を焼き払われてしまいます。 そこで法皇は六条西洞院に改めて仙洞御所(せんとうごしょ)、通称「六條殿」を建てました。 仏教に深く帰依し、常に生活の中で拝める仏が欲しいと思った法皇は、御所内にお堂を建て、阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩の三尊を安置し、毎日お祈りを捧げていたそうです。

このお堂が長講堂で、後白河法皇が亡くなった後、全ての権利を皇女宣陽門院(せんようもんいん)に譲られ、長講堂領として大きな荘園を持つ寺院として南北朝まで栄えたそうです。 後に戦乱や天災などの影響を受け、秀吉によって現在の地に三尊と共に移されました。

別のお堂に後白河法皇の木造が安置されていて、毎年4月13日の14時からの重要な法要で拝見することができるそうです。

レポート風景

さて、市比賣神社(いちひめじんじゃ)へとやってきました。

レポート風景

たいへん古い歴史を持つ神社で、794年の平安京遷都の際に作られた市場の守護神として祭られていました。
ご祭神は市寸嶋比賣命(いちきしまみめのみこと)ら美人の誉れ高い5人の女性の神様をお祭りしていることから女性守護の神様ともいわれるようになりました。

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境内の奥には「天之真名井(あまのまない)」と呼ばれる井戸があります。洛陽の七名水に数えられ、歴代天皇の産湯に使われていました。

普通の神社は南に入り口があり本殿は北に立っていますが、御所とのゆかりが深いことから、この神社の入り口は北側に、本殿は御所に向かって南に立っています。

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文子天満宮(あやこてんまんぐう)にやってきました。

レポート風景

ご祭神は菅原道真(すがわらのみちざね)です。
道真は右大臣にまで昇りつめましたが、左大臣・藤原時平の策略により太宰府へ左遷されてしまい、都に帰る願い叶わず亡くなってしまいました。
やがて都では悪いことが次々と起こり、「道真の祟りだ」と恐れられ、その霊をなぐさめようと建てられたのが北野天満宮。

レポート風景

北野天満宮を建てる前に道真を祭っていたのがこの神社。
かつて道真の乳母をしていた多治比文子(たじひのあやこ)という女性の枕元に道真の霊が立ち「北野の地に我をまつれ」と願ったそう。
しかし彼女にはお社を建てるだけの財力が無かったため、自分の住まいに道真をお祭りする小さなお社を建てたといわれています。そのため「北野天満宮の前身」「天神信仰発祥の地」といわれます。
境内には多治比文子の像もありました。

レポート風景

さて、いよいよ最終目的地の涉成園(しょうせいえん)に到着。入り口から振り返って見ると、東本願寺がすぐ近くに見えます。ここは東本願寺の飛び地境内で、江戸時代に作られました。
門徒さんたちが東本願寺のお詣りの際に立ち寄ったり、来賓をもてなすための場所でもあります。

レポート風景

レポート風景

かつて、からたち(枳殻)の花が周囲をフェンスのように取り囲んでいたことから「枳殻邸(きこくてい)」とも呼ばれています。

レポート風景

非常に広くて四季折々の花が楽しめ、様々な意匠を凝らした建物など、ぐるりと歩いて巡る池泉回遊式庭園となっています。池に張り出すように佇んでいるのは「滴水軒(てきすいけん)」。池では鯉が優雅に泳いでいます。

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広々とした大きな池は「印月池(いんげつち)」は涉成園の中心となります。 東山からのぼる月が映ることからこの名を付けられたそうです。

この庭園は、一乗寺にある詩仙堂丈山寺を開設した石川丈山の作といわれ、国の名勝に指定されています。
平安時代、ここに源融の河原院の旧跡との伝えがあることから、あちらこちらに「塩釜の手水鉢(ちょうずばち)」や「源融の供養塔(十三重の塔)」など伝承に基づいた景物が配置されていて、とても優雅な趣のある庭園となっています。また千利休とゆかりがあることから、園内には茶室もあり、茶会などがしばしば開かれています。

今回は、源氏物語ゆかりの場所やモデルとなった人物にまつわるスポットを結ぶように歩きました。まるで自分が登場人物の一人となって、主人公たちを見ているような、そんな気分でした。
次回も楽しいウオークを予定していますので、お楽しみに!

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