京都ツウ・ウオーク

第7回「洛中に残る町家と老舗」 ~味わい深いのれんとともに~ 2012年6月30日(土)開催

第7回目の京都ツウ・ウオーク。
今回は「町家と老舗」をテーマに、「のれん」を鑑賞しながら、
三条通・六角通を歩き、その風景を楽しみました。

レポート風景

三条駅に集合。
らくたび・森さんのあいさつでいよいよスタートです。

レポート風景 駅伝の碑

三条駅の1番出入口のそばにある「駅伝の碑」。
1917(大正6)年、三条大橋からスタートし、東京・上野不忍(しのばずの)池をゴールとして行われた日本初の駅伝「東海道駅伝徒歩競争」を記念して設置されました。また、三条大橋は「東海道五十三次」の終着点でもあります。

レポート風景 三条大橋

レポート風景 池田屋跡

三条大橋を渡ってしばらく進むと、1864(元治元)年に起こった池田屋事件の舞台、旅館・池田屋の跡地があります。現在は居酒屋になっていますが、東映京都撮影所監修のもと、旅籠(はたご)屋風のあしらいになっているほか、有名な大階段も再現しているそうです。

レポート風景 三条名店街

河原町通を渡って三条名店街に入っていきます。

三条通は平安京の時代から「三条大路」の名で呼ばれ、商工業の中心地として栄えていました。豊臣秀吉によって三条大橋の改修が行われると、東海道、つまり京の玄関口・メインストリートとして、さらに多くの人々が行き交うようになりました。1912(明治45)年に四条通・河原町通・烏丸通が拡張されたことからメインストリートの役割はそちらに移ってしまいますが、三条通の建造物は建て替えや取り壊しから逃れ、江戸時代から脈々と商いを続けてきた老舗、明治以降に建てられた洋風建築などが多く残っています。

レポート風景 三條本家みすや

三条名店街には長く営業を続けている老舗があります。まずは針屋さん「三條本家みすや」。
江戸時代初期にこの地に店を構え、当時から京都の土産物として大変人気があったそうです。細い路地の奥にお店があります。

レポート風景

レポート風景 菊一文字

刃物の名店として名高い「菊一文字」。
後鳥羽上皇の御番鍛冶として代々刀匠として受け継がれた後、1813(文化10)年、大坂・堺にて刀鍛冶屋を創業。明治時代以降は料理・園芸などの刃物全般を扱うようになりました。

レポート風景 三嶋亭

寺町通と三条通が交差する一角にある「三嶋亭」。
1873(明治6)年創業で京都ではあまりに有名なすき焼きの老舗。建物も130年以上の歴史があります。

レポート風景

レポート風景 1928ビル

名店街を出て左に見えるのが、アートギャラリー、演劇・イベント会場としても有名な「1928ビル」。1928ビルは、元は毎日新聞の京都支局でした。名残ともいうべき社章の『☆』マークが施されています。

レポート風景

レポート風景 家邊徳時計店

明治時代に建てられたレンガ造りの「家邊徳(やべとく)時計店」。
現在はテナントとして雑貨店が入っていますが、その外観は大切に残されています。2005(平成17)年に国の登録有形文化財になりました。

レポート風景 分銅屋

足に吸い付くようにぴったりと合う足袋を作っている「分銅屋」は、1864(元治元)年の創業です。元は漢方薬を扱う店だったそうで、漢方薬を量る際に「分銅」というはかりを使用していたことから、店の名前になったそう。現在は、歌舞伎役者も愛用する足袋の名店です。

レポート風景 京都府京都文化博物館(別館)

三条通に多く残る近代建築の中でもその代表格といえば、京都文化博物館(別館)と中京郵便局、元・第一勧業銀行京都支店です。

京都文化博物館(別館)は、元は日本銀行京都支店。
明治・大正時代の建築家・辰野金吾による設計で、明治時代の典型的な洋風建築です。重要文化財に指定されています。
三条通に面して左右対称、スレート屋根に赤レンガ、アクセントとして白い花崗岩(かこうがん)の縞模様を配したデザインは辰野式と呼ばれています。
内部も当時のままに残されクラシックな雰囲気。現在は常時開放していて無料で見学ができます。またミニコンサートやアートイベントの会場にも利用されています。

レポート風景 中京郵便局

中京郵便局は、1902(明治35)年に竣工された旧京都郵便電信局。京都文化博物館と似ていますが、設計は吉井茂則。
この建物は日本で初めてファサード保存を取り入れた建物として知られています。ファサード保存とは外壁保存のことで、外壁はそのまま保存し内部だけ新築するという方法です。機械化が進む現代の業務に合わせたい郵政局(当時)と景観保存を訴える人々との折衷案として採用されたようです。

レポート風景 元・第一勧業銀行京都支店

元・第一勧業銀行京都支店は、京都文化博物館と同じく辰野金吾による明治時代を代表するレンガ建造物でした。現在の建物はレプリカ保存といって2003年に再建されたもの。館内には当時のレンガや棟札などが展示されているそうです。やはり赤と白のコントラストが特徴的です。

レポート風景 三条衣棚付近

衣棚通を北に曲がります。
京都市の通りは碁盤の目のようになっていることで知られていますが、この衣棚通のように、タテ・ヨコの道が交差していない所もあります。
これは豊臣秀吉の市街整備による結果。大きな貴族の屋敷跡地を有効活用するために、突き当たりのある道を造ったとか。
この辺りは室町時代以降、法衣業者が集って店を構えるようになったといい、江戸時代には隣の室町通同様、呉服問屋も建ち並んでいたといわれています。

レポート風景

ちおん舎に到着。奥に千切屋の紋が染め抜かれたのれんが見えています。千切屋一門は、付近に法衣や呉服の店を構えていた老舗。約500年の歴史があります。
ちおん舎は、千切屋一門の千吉商店の当主が代々居住していた建物。現在ではワークショップやイベントを行う京町家の貸し会場となっています。
千切屋ののれんにあしらわれているのは、春日大社の千切花という供花を捧げるための神具を上から見た様子。一門の先祖は藤原氏の出身で、平安遷都造営に関わり、京都に移ってきたそう。
こののれんをくぐって中に入っていきます。

レポート風景

レポート風景

座敷に通されると、和菓子「水無月(みなづき)」が配られました。
京都では6月30日に水無月を食べる風習があります。これは1年の半分に当たるこの日、半年間の罪・けがれを払って、残り半年間を無事に過ごせるようにという夏越祓(なごしのはらえ)という伝統行事のひとつ。
水無月は暑気払いのお菓子で、氷を表わしています。
かつて氷は高貴な人々しか口にすることができなかった貴重なもので、庶民がそれにあやかろうとして生み出されたお菓子です。小豆は、「豆=魔を滅する」「赤色=邪気を払う色」であることから、必ず上にのせられています。

レポート風景

ご当主に千吉商店や千切屋一門、この辺りの由来についてお話いただきました。

レポート風景

京町家には「暑い夏をいかに涼しく過ごすか」という工夫が凝らされています。床には網代やむしろを敷き、襖や障子を簾(すだれ)などに変えることで、見た目に涼しく、風を通りやすくしているのです。
こうした京町家の工夫を楽しみながら、建物内を見学することができました。

レポート風景

レポート風景

蔵の中も見学させていただきました。
江戸時代の裂地や天皇から賜ったという御所人形、昔の丁稚さん募集のポスターなど、珍しい物でいっぱいです。

レポート風景

レポート風景 紫織庵

次に向かったのは三条通から新町通を南へ進んだところにある京町家「紫織庵」です。
見学もOK(有料)。
屋根の上に見えるレンガ造りの部分は鉾を見るためのベランダ「鉾見台(ほこみだい)」で、ここから祇園祭の山鉾巡行を眺めます。鉾の2 階部分とちょうど同じ高さになるそうです。

レポート風景

六角通を東に向かいます。
烏丸通を越えて左に六角堂があります。

レポート風景

正式名称は頂法寺。創建は聖徳太子と言われ、大阪・四天王寺の建材を求めてこの地に来た際に、護持仏がこの地に留まることを夢で告げたため、ここにお堂を建てたとされています。
このお堂は上から見ると、屋根が六角形に見えます。そのため、昔から「六角堂」と呼び親しまれています。

レポート風景

お堂のそばの柳には、たくさんのおみくじが。
嵯峨天皇がお后探しをしていた際、夢でこの柳の下に来れば出会えるとのお告げをうけ、実際に素晴らしい女性と巡り会えたという伝説が元になり、縁結びの柳として有名に。柳の枝を2 本、一緒に結びつけるのがポイント。

レポート風景

境内にたくさんいる鳩にあやかった「鳩みくじ」。
池には白鳥も泳いでいて、格好の和み場所です。

レポート風景

レポート風景 甘味処 栖園

六角堂を出て六角通をさらに東へ。和菓子店の大極殿本舗六角店があります。
併設の甘味処  栖園(せいえん)では、おいしい和菓子を味わえます。ちおん舎でいただいた水無月は、こちらのもの。
表にかけられた大きなのれんは、夏季は白いのれん、春・秋・冬季はこげ茶ののれんに。季節に合わせて朝顔、雷雨などを描いたものを掛けるときもあるそう。
一般に、のれんは色や形でその店の業種や目的を見分けることができると言います。例えば、白いのれんは砂糖に通じることから和菓子店、藍で染めた紺地ののれんは防虫効果があることから呉服店や飲食店。形では気軽に店内をのぞける半のれんに、日よけや目隠しの意味を持った長のれんなどがあります。

レポート風景 宮脇賣扇堂

富小路通を越えて左手に見えるのが老舗の扇店「宮脇賣扇(ばいせん)堂」です。
普段使いから芸術品のようなものまでそろい、ここの扇子に憧れて遠方から来て購入する人も。
店先には祇園祭をイメージした扇が飾られていました。

レポート風景

レポート風景 崇山堂はし本

続いて、便箋やポチ袋など、和紙製品がたくさんそろう、「嵩山堂(すうざんどう)はし本」。鳥獣戯画に描かれているウサギをモチーフにした商品が人気です。のれんにもオリジナルにアレンジされた、筆を持ったウサギが描かれていました。

最後に訪ねたのは「坂本龍馬寓居之趾」の碑が立つ酢屋。幕末期、坂本龍馬と海援隊をかくまった場所として有名。
今も昔通り290年続く材木商で、龍馬が宿泊し、大政奉還に向けて海援隊とともに活動した2階には、龍馬ゆかりの品々が展示されています。家の前にある高瀬川の船入りからは、伏見まで高瀬舟で水運が引かれていました。龍馬が酢屋に海援隊京都本部を置いたのは土佐藩邸に近く、また高瀬川の水運があったからだといいます。

町家とのれん、史跡などを楽しみながら歩いた本日のウオーク。何度も通っていながら、初めて見知ったものがあったという方もいらっしゃって、皆さん楽しんでいただけたようです。
次回もまた、驚きと発見の楽しいウオークをご用意しますので、ぜひご参加ください!

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