宇治川の鵜飼 × おけいはん 【宇治川の鵜飼の達人】 鵜匠(うしょう)澤木 万理子(さわきまりこ)さん
達人への道 はじまりはじまり
美しき鵜飼の達人
宇治駅
もう何度目かな、宇治駅も。
喜撰橋
渡るのが楽しい、この朱い橋も。
宇治川のほとりにある、お茶室でごあいさつ。

宇治駅から喜撰橋(きせんばし)を渡り、達人の待つ市営茶室
「対鳳庵(たいほうあん)」へ。おけいはん検定の審査員として
お会いして以来、憧れの人です。
「ぜひ、宇治川の鵜飼について、いろいろ知ってくださいね」
はい! 見るのも初めてなので、どんなお作法があるのやら…?
「平安時代からの伝統があるとはいえ、難しく考えずに楽しんで!
鵜飼の見どころや、宇治川ならではの魅力も教えちゃいますよ」

今回の達人 澤木 万理子さん

「大好きな鳥と“一緒に”仕事がしたい!」という夢を叶え、日本で三人目の女性鵜匠に。宇治市観光協会職員も兼務し、宇治市のPR活動に尽力。鵜の通年飼育や全国初の人工ふ化、雛の飼育など、新しい試みを次々に実現。現在は、日本で途絶えた “放ち鵜飼”の復活をめざして、鵜のトレーニングに取り組んでいる。

市営茶室 対鳳庵
お抹茶、おいしいなぁ…
ほんとうに、癒されますね。
鵜匠のお仕事の半分以上は、毎日かかせない鵜の世話。

「まずは、中の島にある鵜小屋に行きましょう」
よく見ると、中に仕切りがあるみたい…なぜですか?
「左は野生の鵜、右は人工ふ化の鵜なんです」
ええっ、日本初の人工ふ化の鵜って、9羽もいたんだ!
「毎年少しずつ増えたんです。最初は何もわからず、
鶏用のふ卵器を使ってみたところ、奇跡的にふ化して。
そんな最初の一羽も4歳、いまや鵜飼でも大活躍です」
鵜匠って、すごいなぁ…かっこよく操るだけと思ってた。
「毎日世話しているからこそ、気持ちが通じるんです。
賢いんですよ、鵜って。ショーの時間前に私がくると、
“仕事に連れ出される”と思って、みんなそっぽ向いたりして」
あはは、ウッティーったら、お茶目すぎ!
そういえば、野生以外の鵜は
みんな名前がウッティーですよね。ややこしくないですか?
「うふふ、それには理由があるんですよ」

宇治に育つ夢
宇治川
この鵜たちと、叶えたい夢が…
ぜひ、聞かせてください!
宇治川でしか観られないとびきりの鵜飼を皆さんに。

少しだけ鵜匠気分になりたくて、特別に私も鵜舟の中へ。
「この子は人に慣れてるから、さわっても大丈夫ですよ」
ドキドキ…わ、なめらか。かわいい、けど、くちばしは鋭いなぁ。
「じつは鵜飼では“鵜と目を合わせるな”と言われるんです。
本来は警戒心の強い野生動物なので。
でも、ウッティーは私を親だと思っているから見つめあえる。
宇治川の鵜だけなんですよ」
「そんなウッティーたちと “放ち鵜飼”を復活させたいんです」
放ち鵜飼って…?「綱をつけず声などで操る、鵜飼の方法です。
そのときに呼び名が違うと…困るでしょう?」
だから、みんなウッティーなんだ! う〜ん、すごく楽しみ。
「まだまだ訓練中ですけどね。いまのスタイルと両方の鵜飼
を楽しんでもらえたらいいなと」。その日がくるのを、待っています!
いま、目に浮かびました、宇治川を自由に泳ぐ鵜たちの姿が。

迫力、感動!
宇治川の鵜飼
こんな間近で見られるなんて…!
かがり火、水音、鵜匠の声。非日常の光景にひたるひととき。

そろそろ夕刻。達人は鵜匠、私は観客として、本日の鵜飼へ。
川面を染めていた日が落ち、鵜舟のかがり火が輝きを増すころ、
静かに、鵜飼がはじまります。「ホーッ」トントントン…。
「ホーッ」は鵜をはげます鵜匠のかけ声。トントンは魚を追う
ために船べりを叩く音。舟が近づくと、達人の手がまるで
魔法のように追い綱を操り、
魚を獲った鵜たちを引き寄せるのがはっきり見えます。
ただ心を奪われる、幻のように美しい世界が、
宇治川の上に浮かびあがりました。

達人の直伝 [追い綱の初心者マークにご注目]

宇治川の鵜飼では、ひとりの鵜匠があやつる鵜は5〜6羽。そのうち1〜2羽の綱に、赤色などの目印がつけられています。じつはこれ、「まだ若いウッティーですよ」という初心者マーク。野生のベテラン先輩にはおよびませんが、年々腕をあげています。鵜飼見物で見かけたら、ぜひ応援してあげてくださいね。

達人も川面も、見とれるほどきれい。
ヴィット・デ・ウィット
宇治川をめぐって、新発見がいっぱい。
達人、ありがとうございました。

鵜飼鑑賞の後は、おしゃれなビストロへ。
「最近、新しいカフェやレストランが
増えているんですよ」と達人。
どのスポットも宇治川や
周囲の景色にとけあい、他にない
“宇治リゾート”を楽しむ雰囲気が
生まれています。
こんど来るときは、どうなっているかな…。
夢を追う達人に刺激されて、宇治のこれからに
想いをはせるおけいはんでした。

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