伏見Sake × おけいはん 【伏見Sakeの達人】 日本酒伝道師 ジョン・ゴントナーさん
達人への道はじまりはじまり
#1 アメリカンな達人!
中書島駅
中書島駅で降りて、ほのかな香りに誘われて。
松本酒造
ナ、ナイストゥ…こんにちは、達人!
どうぞ気楽に、お酒を楽しむんだから。
きょうが、わたしの日本酒記念日になる。

中書島駅から絵のような景色の中へ。待っていた達人は、アメリカ出身。
「美しいでしょ。日本でもめずらしいですよ、こんなに大きい木造の
酒蔵がそのままあるなんて」。え、ということはこの中で今も…。
「お酒づくり、見せてもらいましょう。おけいはん、好きなお酒は?」
カ、カルーア・ミルクかな? 20歳になって最初に飲んだ…
初めて口をつけた日本酒は鼻にツンときて…ちょっと苦手かも。
「今日、変わるよ、その気持ち。僕が変えてみせますよ!」

今回の達人 ジョン・ゴントナーさん

日本語堪能なアメリカ出身の日本酒伝道師。
29年前に来日して日本酒の奥深さにハマり、
各地の酒蔵を取材。著書や日本酒専門家を
育成するセミナーなどを通じて、日本酒の
魅力を正しく、分かりやすく外国人に
伝えている。日本語で書かれた『日本人も
知らない日本酒の話』は、通も初心者も
楽しめる一冊。

松本酒造
あ、ふわっと…やさしいにおい。初めての香り。
※通常は見学・試飲はできません。
米と水、麹と酵母だけ。ひとの技がつかむ奇跡。

「なぜ、松本酒造さんは伏見に酒蔵を建てたと思う?」
特別に入れてもらった酒蔵のそばで、ふいに達人からクイズ。
ヒントは、その井戸から湧くきれいな…水?
「そう、お酒の8割は水。伏見の水は美しくてまろやか。
だからお酒もまろやかで美味しい。でも、ほんのわずかな
米の水かげん、麹や酵母の具合で味が変わってしまう」
「繊細な技とこだわりの結晶。世界のどこにもない宝だよ」。
うわ、そんなに褒められると誇らしくなるなぁ。
…私なんて、まだ味もわかってない日本人だけど。
「そうだね、飲ませてもらわなくちゃね」。
はい、杜氏(とうじ)さんの力作、がんばっていただきます!
「まずは香りをかいでみて。自然に鼻から息をすればいいよ」。
あ、れ?…ツンとしない。というか、果物みたいないい香り!

ほんとに、やさしい味です…
女酒と呼ばれる理由が、このまろやかな水。
※通常は見学・試飲はできません。
#2 伏見はお酒の宝石箱
吟醸酒房 油長
世界が、変わっちゃった。
僕も、そうでしたよ。
19の酒蔵がちりばめられた、宝箱のような街。

「その味を忘れないうちに、さあ、こちらへ」。
と、達人に連れられて来たのは、商店街の中にある酒屋さん。
「この『油長』さんでは、伏見にある19の酒蔵、約80銘柄の
お酒を少しずつ飲み比べできるんだ。こんな近くで
いろんな蔵元の個性を楽しめるなんて、贅沢だよね」。
ん〜達人のお話を聞くと、どんどん飲みたくなっちゃう。
「どうぞ、初心者のおけいはんにオススメ“正統派”3種だよ」。
では月桂冠「祝米」から…うん、スッキリ。
英勲「井筒屋伊兵衛」はキリッと冴えて、
月の桂「京都・旭米」は甘酸っぱい…こんなに違うの!?
「最初の2つは米の品種も同じ。でも、ね、全然別モノでしょ?」
どうしよう、面白い。美味しい。こんな世界があるなんて。
つい、きき酒に夢中になって、顔を上げると達人がニヤニヤ。
「僕もそうやっているうちに、気づけば30年もこの国に」。

#3 大人にカンパイ
酒の器Toyoda
お酒の器って、小さくてかわいい。
カタチや素材で、味わいも変わるよ。
むすびの
一番のコツは、ふれて、飲んで、自分のいいね、を見つけること。

最後は達人といっしょに、2人とも初めてのお店へ。
「Toyoda」さんは、作家の一点ものの酒器を集めた専門店。
あ、ぬくもりがいい感じ。「そう、さわり心地も大事だね」。
お店の方に教わった「むすびの」は、齊藤酒造さんの蔵元の元邸宅を
改装したレストラン。「日本酒の基本は“食中酒”。味も香りも
食事中心につくられているから、和にも洋にもよく合うよ」
「日本酒を極めるヒケツはね…」と、声をひそめる達人。
「何でも楽しむこと!」。…ふふっ、そんな気がしてきました、私も。

達人の直伝 [肩書きだけじゃないお酒の味]

大吟醸、吟醸、純米。これは、お酒の成分名のようなもの。
米の外側を削って雑味を減らしたのが吟醸、さらに削ると大吟醸。
アルコール無添加が純米。「じゃあ純米大吟醸が一番?」とも言えず、
雑味やアルコール添加が独特の風味を生むことも。肩書きに
とらわれず幅広くトライすれば、日本酒の豊かな世界を楽しめますよ。

むすびの
チアーズ!(カンパイ)
カンパイ!
自由に楽しめるのが、日本酒の良さですね。
達人、ありがとうございました。
大人になったしあわせ、一杯。

「やさしい香りが好きなら、あのお酒も…」と、達人にすすめられた
酒蔵めざして、ひとりでさらに街歩き。
「“酒屋万流”といって、蔵それぞれに技や味のこだわりがある。
その違いをまとめて味わえる伏見は、すごい街です」。
達人がハマる理由、私にもわかってきました。
日本酒を知った今日が、ほんとうの大人への一歩かも。

伏見Sakeめぐり おすすめスポット情報はこちら!
※お酒は二十歳を過ぎてから。飲みに行くなら京阪電車でどうぞ。
fin