京の花 × おけいはん 【京の花の達人】未生流笹岡三代家元 笹岡 隆甫さん
達人への道 はじまりはじまり
花の達人の正体は?
一本橋(行者橋)
三条駅から東山へ、一本橋の先へ。
青蓮院門跡 華頂殿
迎えてくれたのは、美しいお庭と、お花と… …笹岡隆甫さん。
おひさしぶりです。おけいはん。
笹岡さんのいけた花は、うれしそうに咲いています。

三条駅から白川の一本橋をわたり、東山にある青蓮院門跡へ。
みごとな庭園を望む華頂殿で、お花をいけている最中の
笹岡さんが、今回の達人です。“あ、おけいはん検定の
最終審査で…”と、話しかけようとして“…美しい”。
思わず見とれてしまったのは、達人の姿が、お花と一体に
なっていたから。「いけばなは、花との対話ですから」。
「今日はゆっくり花と話しましょう、おけいはん」。

今回の達人 笹岡 隆甫さん

華道「未生流笹岡」家元。3歳から祖父の二代家元笹岡勲甫に指導を受け、37歳で三代家元に。舞台芸術としてのいけばなの可能性を追求し、国内外でいけばなパフォーマンスを披露するなど、華道の新境地を開拓。6代目おけいはんを決定した「おけいはん検定」の選考委員でもある。

びっくりです。かえでが、こんなに華やかなんて。
青蓮院門跡 庭園
いけばなでは、葉や枝も“花”なんですよ。
花が教えてくれるのは、自然の美しさ、生命の尊さ。

青蓮院門跡のお庭では、名物のツツジがもうすぐ開花する頃。
「ここは、いけばなのはじまりを支えたお寺でもあるんです」。
そういえば、お寺ってお花が多いですよね。ただキレイだから?
「うん、そうですね…おけいはん、いけばなとフラワーアレンジ
メントの違いって、わかりますか?」。…ギクッ、いえ全然。
「西洋のフラワーアレンジメントは、盛りの花を使って、最高の
瞬間を彩るもの。結婚式とかね」。うんうん、華やかですよね。
「でも、日本のいけばなは違う。あえてつぼみを使って、花が
咲いて散る、その移ろいまで見届ける」。
「花は、日本人にとって、ただの飾りじゃなく、生命の尊さを
教えてくれる先生なんです」。すごい、いけばなって。
思ってたよりずっと深くて…ワクワクする。
“わ、私にも、できますか?”。

花をいける、命にふれる
未生流笹岡 華道一日体験
なんだか不思議。西洋のお花なのに…。
家元のお宅で、いざ、“いけばな”に挑戦!

「ぜひ、やりましょう!だれにでもできるのが、未生流笹岡の
いけばなですよ」。涼やかな笑顔に誘われ、叡山電車
元田中駅近くの達人宅へ。こちらでは、初心者向けの
教室も開いているそう。立派なお庭に見とれる余裕もなく、
特別にお座敷で、人生初のいけばなに挑戦。
「花と花で、三角形をつくるんです」。
「左右から見ても、バランスが崩れないようにね」。
こ、こうかな。…あれれ? 私のお花、なんだか、しょげてる?
 「花にも顔があるんです。それは、太陽の光に向いて
いた方。よーく見て、花が上向くようにいけてあげて」。
達人に助けてもらって、ついにできあがり。
“わぁ…お花が、いきてる!”。
「ね、命のすばらしさを教わった、という感じがしませんか」。

洋花といけばなも、意外と合うでしょう?
いつも心の器に花を
TEA VENIR
あ、ここにもお花が…♪
達人おすすめのお店は、緑と花のすぐそばに。

“はー…緊張したけど、楽しかった”。達人宅からの帰り、
おすすめされたお店に寄り道。祇園四条駅すぐ、花見小路
近くの「TEA VENIR(ティー ベニール)」さんは、上質な
京みやげが揃う「SOUVENIR京都(スーベニール京都)」
併設のカフェ。新緑かがやく中庭を眺めつつ、京らしい
スイーツをいただけます。
“お花みたいに可愛いくて、うれしくなっちゃう♪”。
「花は上向きにいけましょう。そうすれば、もし花を見る人の
心が下向きでも、きっと上を向きますから」。
さっき教わった達人の言葉が、胸によみがえってきました。

達人の直伝[お花を長持ちさせるコツ]

切り花を長く持たせるポイントは、「水あげ(水の吸収をうながす)」と「細菌の繁殖防止」。水あげの方法としては、“深く水をはった容器に茎をつける”、“水中で茎を切る”、“切り口を焼いて空気を追い出してから水につける(燃焼法)”など。燃焼法なら、茎が炭になることで、細菌の繁殖も防げます。

花見小路界隈
花見小路あたりで。

花や自然を愛すること。
命の美しさを感じること。上を向いて生きること。
華やかに賑わう花見小路の、すこし外れを歩きながら、
今日、達人とお花に教わったことを、ゆっくり
思い返してみました。当たり前のようだけど、
きっと、とっても大切なことだと思うから。

達人、ありがとうございました。
fin