京阪沿線に此の塔あり

京阪沿線に此の塔あり シリーズ15<最終回>

清水寺 三重塔(さんじゅうのとう)

日本最大級の絢爛たる三重塔が東山の景観に「鮮烈の美」を添えて 若一光司

京都の清水寺の、年間参詣者数に関する公式データは存在しないが、「約500万人」と記している資料もある。とすると、毎日13,000人以上が「清水参り」をしていることになるが、たしかに、いつ訪れても人の多さには圧倒される。かの清少納言も『枕草子』で、「さはがしきもの」の例として清水寺の縁日を挙げている。すでに平安の昔から、清水寺は多くの参詣者を集めていたのだ。

「清水の舞台」として知られる本堂の舞台や、寺名の由来となった「音羽の滝」、それに、仁王門や三重塔、鐘楼など、境内に見所があふれていることに加え、桜や紅葉や雪景色といった、四季の景観変化の見事さが、これほど多くの人を引きつけるのだろう。門前町を構成する清水坂・三年坂・二年坂などの風情や賑わいも、清水参りならではのハレ気分を高める、大切な要素となっている。

清水寺 三重塔
◆ 6時~18時 ※12/ 4(日)までは6時~17時30分 18時30分~21時30分(受付)◆ 本堂:大人300円・小中生200円※18時30分~21時30分[12/4(日)まで]は大人400円・小中生200円◆ 075-551-1234◆ www.kiyomizudera.or.jp◆ 清水五条駅下車東へ徒歩約25分

1994年に「古都京都の文化財」の一つとして世界文化遺産に登録され、外国人観光客がさらに増えたが、「東寺の五重塔や八坂の塔(法観寺五重塔)より、清水寺の三重塔に強い関心を示す外国人客が多い」と、複数の通訳案内士から聞いたことがある。「色褪せてワビサビ的な美しさの古塔より、彩色も鮮やかな清水の三重塔の方が、仏塔本来の姿を理解しやすい」ということかもしれない。

清水寺の三重塔は、平安時代初期の847(承和14)年に建立されたが、その後たびたび焼失。1632(寛永9)年に再建されたものが、今に伝えられている。1987(昭和62)年の解体修理時に、再建当初の朱の総丹塗りとともに、桃山様式を示す極彩色文様が復元され、鮮やかな姿をよみがえらせた。その彩色文様の緻密さや配色の妙には感嘆させられるが、大日如来像を祀る祀塔の内部にも、真言八祖像や密教仏画、飛天や龍が、極彩色で描かれている。

清水寺の三重塔は、高さが約31mもあり、日本でも最大級の三重塔として威容を誇ってきた。それが彩色復元されたことにより、まさに遠くからも近くからも、絢爛たる建築美を堪能できる塔となったのである。

ちなみに、この三重塔の各屋根の四隅には、鬼瓦が置かれているが、東南の角だけはなぜか、龍神の鬼瓦となっている。このことが「清水寺の七不思議」の一つともされてきたが、実は、京都の西北の愛宕山には火伏せの神が鎮座し、都を火災から護ってくれているのに、その反対側の東南方向は、手薄になっていた。そこで、水を司る神でもある龍を、東南向けの鬼瓦に戴くことで「火除けのおまじない」にしようとしたと、考えられている。

さて、広大な境内で主要な堂塔を巡った後は、ぜひ、「奥の院」や「子安の塔」に足をのばし、少し離れた距離からの「清水寺の遠景」も、味わっていただきたい。私は参詣時には必ず、子安の塔周辺からの眺めを楽しむことにしている。そしてそのたびに、この三重塔が、清水寺のみならず、東山全体の景観に、実に決定的な「鮮烈の美」を添えていることを、深く痛感させられるのである。

清水寺界隈をのんびり散策

七味家本舗

しちみやほんぽ

七味唐がらしの老舗。香りに優れた国産の山椒(さんしょう)を多く含むマイルドな辛みの七味は、素材の味を生かす食文化が育まれた京都ならでは。七味を使ったドレッシングやお菓子なども人気です。

定番の「七味小袋・15g/420円」「一味小袋・15g/420円」。オリジナル容器とのセットは各1,207円

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夢二カフェ 五龍閣

ゆめじかふぇ ごりゅうかく

湯豆腐の有名店「順正」が手掛けるカフェ。レトロ建築「五龍閣」1階にあり、画家・竹久夢二の作品が飾られた大正ロマンあふれる空間で、京野菜を使ったランチ、豆腐・豆乳を使ったスイーツやドリンクが楽しめます。

おぼろ豆腐の大豆の甘みと、黒蜜・きな粉がマッチする「黒蜜とうふスイーツ(健康茶付)/600円」

  • 11時~17時(L.O.) 不定休
  • 075-541-7114
  • 清水五条駅下車東へ徒歩約20分
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局屋立春

つぼねやりっしゅん

清水新道(茶わん坂)にある和菓子店。ショーケースには華やかな生菓子や干菓子がずらり。茶房スペースでは、人気のわらびもちをはじめ、ぜんざい・葛(くず)きりなどの甘味を味わいながら、ほっとひと息つけます。

沖縄産黒糖を使った「黒糖わらびもち(抹茶付)/650 円」は、濃厚な甘みとぷるんとした食感が好評

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制作:2011年11月
価格・営業時間・電話番号等が変更される場合がありますので、
おでかけ時には、ご確認くださいますようお願い申し上げます。
バックナンバー
シリーズ15 清水寺 三重塔
シリーズ14 比叡山延暦寺 根本如法塔
シリーズ13 宝塔寺 多宝塔
シリーズ12 四天王寺 五重塔
シリーズ11 三室戸寺 三重塔
シリーズ10 大覚寺 多宝塔
シリーズ9 真如堂 三重塔
シリーズ8 浮島十三重石塔
シリーズ7 仁和寺 五重塔
シリーズ6 比叡山延暦寺 法華総持院東塔
シリーズ5 醍醐寺 五重塔
シリーズ4 石清水八幡宮五輪塔
シリーズ3 法観寺の八坂の塔
シリーズ2 石山寺の多宝塔
シリーズ1 東寺の五重塔
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