沿線おでかけ情報

京都ツウのススメ

第百二十二回 京都とフランス

京都に息づくフランス文化明治維新以降、京都とフランスが結んできた親密な関係について、
らくたびの田中昭美さんが紹介します。

基礎知識

其の一、

天皇が居住していた京都は、江戸時代、欧米人禁断の地でした

其の二、

西陣織の職人や仏教僧侶もフランスへ留学しました

其の三、

今年は京都とパリが友情盟約を結んで60年の記念の年です

京都の国際化の始まり

神道の長である天皇の住まいがあり、仏教の大本山が集まる京都では、キリスト教徒の欧米人は立ち入ることが許されませんでした。しかし1868(慶応4)年2月、日本政府によってイギリスやフランスなど各国外交使節が京都御所の紫宸殿(ししんでん)へ呼び寄せられ、天皇への謁見(えっけん)が行われました。その後、語学教育や産業発展のために欧米人が京都に移住。また、明治時代~昭和初期には、語学や政治経済を学ぶ人のほかに、近代社会における仏教のあり方を学ぶ僧侶など、様々な分野の人々が京都からフランスへ留学しました。

フランス政府公式機関の設立

1927(昭和2)年、フランス政府が語学学校「関西日仏学館」を京都に設立。日仏の文化交流の拠点となり、戦時中もフランス語教育を続けていました。現在はアンスティチュ・フランセ関西と名を改めています。ほかにも京都市には、パリ市との交流を表すイベントやモニュメントがあります。今年は日仏交流160周年で、両市の友情盟約締結60周年という記念の年。この機会にフランス文化に触れてみませんか。

フランスとの交流の歴史とフランスとの交流の歴史

京都とフランスの出会い

初めて京都を訪れたフランス人

フランス公使のレオン・ロッシュは、1868(慶応4)年2月に京都御所で明治天皇から勅語を賜った外交使節のひとりです。初めて紫宸殿に上がった外国人でもあります。

京都で初めてフランス語教育を行ったフランス人

1877(明治10)年に開校したフランス語学校の教師として、初めてフランス語を教えたのがレオン・デュリーです。京都に住んだフランス人第1号でもあり、妻・ジョセフィーヌは女紅場で語学や裁縫を教えました。

初めてフランス留学した京都人

内閣総理大臣を務めた西園寺公望は、政治・法律学の勉強のため約10年間フランスに留学。後に京都大学、立命館大学の設立に関わり、学問の都・京都の基礎を作りました。

西陣織の職人もフランスへ

1872(明治5)年3月の第1回京都博覧会で、西陣織を見たフランス人の提案を受けた京都府は、新しいフランス式織機・ジャカードの購入を決め、3人の西陣織職人をフランスへ留学させました。彼らが持ち帰った技術によって西陣織の生産性が高まりました。

フランス文化を感じよう!

京都には、パリに関連する施設やイベント、
モニュメントがあり、
パリの気分が感じられます。

アンスティチュ・フランセ関西

前身は関西日仏学館。フランス政府が運営する日本で最初のフランス語学校。現在は京都と大阪にあり、京都ではフランス語教育のほかに、カフェ「ル・カフェ」や図書館「ポール・クローデル・メディアテーク」の一般開放、「ニュイ・ブランシュ KYOTO」の京都市との共同開催や「ル・マルシェ」の会場提供などを行い、日仏の文化的・知的交流に努めています。

ここがツウ

画家・藤田嗣治が京都を訪れた際、関西日仏学館落成記念に寄贈した作品『ノルマンディーの春』が、アンスティチュフランセ関西-京都に飾られています

ル・マルシェ

ル・マルシェ

アンスティチュ・フランセ関西ー京都で月1回日曜に開催。フランス人の店主らも出店し、フランスからの輸入食材やワインなどが多く並びます。

ニュイ・ブランシュ KYOTO

ニュイ・ブランシュ KYOTO

毎年秋にパリ市で行われている一夜限りの現代アートの祭典「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」に合わせ、2011年から毎年開催。京都市内各所で展示、ダンス、音楽ライブ、パフォーマンスなどが行われています〈今年も10月に開催予定〉。

パリから贈られたモニュメント

ガス灯〔京都市役所前広場〕

ガス灯〔京都市役所前広場〕

19世紀以来パリ市内の街路を飾っていたガス灯。上下に分かれていて、上部はレピュブリック広場を照らしていました。

京都広場銘板〔京都市役所前広場〕

京都広場銘板〔京都市役所前広場〕

パリ市内の中心地にある日本文化会館前の大通り交差点一帯は「京都広場(PLACEDE KYOTO:プラス ドゥ キョウト)」と命名されています。そこに設置されているのと同じ銘板がパリ市から京都市に贈られました。

ヴァラス噴水〔みやこめっせ〕

ヴァラス噴水〔みやこめっせ〕

京都・パリ友情盟約締結30周年記念にパリ市から贈られた噴水。1870年の普仏戦争直後、イギリス人の慈善家リチャード・ウォーレスがパリに寄贈した噴水の複製です。

ここがツウ

日本からは2000年3月15日に、高さ約1.8mの石灯ろうが贈られ、パリ市15区セーヌ川グルネル河畔に置かれています

今年は「京都・パリ友情盟約締結60周年」!

京都市が初めての姉妹都市として友情盟約を結んだのがパリ市。今年はその60周年として音楽イベントなどを開催予定。細見美術館やジェイアール京都伊勢丹など京都市内の店舗・企業も記念イベントを実施しています。

ここがツウ

ほとんどの国は総領事館を東京や大阪に置いていますが、フランスだけが「フランス人と日本人の交流が一層広がる」と考え、パリの姉妹都市である京都に総領事館を置いています

時代祭の行列、パリを練り歩く

時代祭の風俗行列

1998年の京都・パリ友情盟約締結40周年を記念し、同年7月、毎年10月に行われている時代祭の風俗行列がパリへ。カルーゼル凱旋門を出発し、チュルリー公園からコンコルド広場、オペラ座、ルーブル美術館などを通るコースを巡行。京都市民やフランス人など総勢約660人が参加しました。

制作:2018年6月
バックナンバー
第百二十六回 京の仏像 [スペシャル版]
第百二十五回 京の学校
第百二十四回 京の六地蔵めぐり
第百二十三回 京の七不思議<通り編>
第百二十二回 京都とフランス
第百二十一回 京の石仏
第百二十回 京の襖絵(ふすまえ)
第百十九回 生き物由来の地名
第百十八回 京都の路面電車
第百十七回 神様への願いを込めて奉納
第百十六回 京の歴食
第百十五回 曲水の宴
第百十四回 大政奉還(たいせいほうかん)
第百十三回 パンと京都
第百十二回 京に伝わる恋物語
第百十一回 鵜飼(うかい)
第百十回 扇子(せんす)
第百九回 京の社寺と山
第百八回 春の京菓子
第百七回 幻の京都
第百六回 京の家紋
第百五回 京の門前菓子
第百四回 京の通り名
第百三回 御土居(おどい)
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第百一回 重陽(ちょうよう)の節句
第百回 夏の京野菜
第九十九回 若冲と近世日本画
第九十八回 京の鍾馗さん
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第九十回 琳派(りんぱ)
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第八十七回 夏の京菓子
第八十六回 小野小町(おののこまち)と一族
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第五十三回 観月行事
第五十二回 京の塔
第五十一回 錦市場
第五十回 京の暖簾
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第四十八回 京友禅
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第四十六回 京料理
第四十五回 京の町家〈内観編〉
第四十四回 京の町家〈外観編〉
第四十三回 京都と映画
第四十二回 京の門
第四十一回 おばんざい
第四十回 京の焼きもの
第三十九回 京の七不思議
第三十八回 京の作庭家
第三十七回 室町文化
第三十六回 京都御所
第三十五回 京の通り
第三十四回 節分祭
第三十三回 京の七福神
第三十二回 京の狛犬
第三十一回 伏見の酒
第三十回 京ことば
第二十九回 京の文明開化
第二十八回 京の魔界
第二十七回 京の納涼床
第二十六回 夏越祓
第二十五回 葵祭
第二十四回 京の絵師
第二十三回 涅槃会
第二十二回 京のお漬物
第二十一回 京の幕末
第二十回 京の梵鐘
第十九回 京のお豆腐
第十八回 時代祭
第十七回 京の近代建築
第十六回 京のお盆行事
第十五回 京野菜
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第十一回 京菓子の歴史
第十回 枯山水庭園の眺め方
第九回 京阪沿線 初詣ガイド
第八回 顔見世を楽しむ
第七回 特別拝観の楽しみ方
第六回 京都の着物
第五回 仏像の見方
第四回 送り火の神秘
第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
第一回 池泉庭園の眺め方
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