京都ツウのススメ

第七十六回 京のお地蔵さん

[子供の守り・お地蔵さん探訪] お寺や街中などで見かける地蔵菩薩と8月の地蔵行事について、らくたびの若村亮さんが案内します。(清水寺・千体石仏群)

京のお地蔵さんの基礎知識

其の一、
平安時代、貴族によって地蔵菩薩(ぼさつ)がまつられるようになりました
其の二、
鎌倉時代以降、地蔵菩薩は子供を守る仏様として民衆の間にも広まりました
其の三、
京都では、地蔵菩薩をまつって様々な行事が行われます

京都から日本中へ広がった地蔵菩薩

平安時代後期、地獄の苦しみから人々を救うと地蔵菩薩がまつられ、貴族の間で地蔵菩薩信仰が始まりました。鎌倉時代には民衆の間でも盛んに信仰され、親より早く亡くなった子供があの世で受けている苦しみから救うという言い伝えも広まりました。また、民間信仰の道祖神と結び付き、全国各地で「お地蔵さん」「 お地蔵さま」と親しみを込めて呼ばれています。

お地蔵さんにまつわる風習や行事

現在、京都市内には約5,000のお地蔵さんがまつられていると言われ、街中ではよくお地蔵さんを見かけます。きれいにお化粧されていたり、よだれ掛けがされていたりと、京都の人には1番身近な仏様として親まれています。そして、子供の健やかな成長を祈ってお地蔵さんをまつる行事もあちこちで行われます。特に8月は、町内で行われる「地蔵盆」や、6カ所の地蔵堂を巡る「六地蔵めぐり」が有名で、夏の風物詩となっています。また京都市右京区・化野(あだしの)念仏寺では、賽(さい)の河原を模した西院の河原にまつられている数千体の無縁仏にろうそくを灯して供養する幻想的な行事「千灯供養」が行われます。

[京のお地蔵さんに出会う] 沿線には京都を代表するお地蔵さんが数多くあります。お地蔵さんとご利益を合わせてご紹介します。

六角堂の一言願い地蔵

矢田寺の代受苦(だいじゅく)地蔵

仲源寺(ちゅうげんじ)の目疾(めやみ)地蔵

清水寺の首振地蔵

上徳寺(じょうとくじ)の世継地蔵

[染殿院(そめどのいん)の染殿地蔵] 安産祈願で有名お地蔵さん。「染殿さん」と呼ばれ親しまれています。

[寿延寺(じゅえんじ)の洗い地蔵] 体の痛みや心の悩みを洗い流し清めると言われ、病気平癒や浮気封じを祈願します。

[地主神社の水掛地蔵] お地蔵さんに水を掛けて祈願すると願いが叶うとされています。

少し首を傾けた姿は、願いを叶えてあげるかどうか考えているのだと言われています。欲張らず、ひとつだけ願い事をすると良いそうです。

地獄で罪人を救っている姿を彫刻してまつったとされる高さ約2mの仏像は、人々の苦しみを代わってくれるそう。ご利益は、良縁成就や無病息災。

失明した老人の枕元にお地蔵さんが現れ、「寺の井戸水で目を洗うと良い」とのお告げがあり、試してみると見えるようになったそう。眼病回復のご利益があると言われています。 [ココがツウ] 鎌倉時代には、鴨川の氾濫(はんらん)がおさまることを祈って「雨止み地蔵」と呼ばれ信仰されていましたが、伝説や呼び名が転じて「目疾地蔵」と呼ばれるようになりました

願い事の方向に首を向けると成就すると言われ、首が360度回るお地蔵さん。江戸時代から民衆に信仰されていて、お地蔵さんの首を回しながら祈願すると、金運や商売繁盛のご利益もあるそうです。

寺にお地蔵さんを奉納すると子を授かったことから、別名「京都の世継ぎさん」とも呼ばれ、子授け・安産を願う多くの参拝者が訪れます。 [ココがツウ] 毎年2月8日には世継地蔵尊大祭が行われ、この日に参拝すると1億日分の功徳を授かると伝えられています

まだある沿線のお地蔵さん

ぬりこべ地蔵(伏見区)
伏見稲荷大社近くにまつられ、歯痛平癒にご利益があります。
西岸寺(さいがんじ)の油懸地蔵(伏見区)
かつて油売りが誤って桶の油をこぼし、残りを地蔵に掛けて帰ったところ、商売が繁盛したと言われています。今は地蔵堂に安置され、参拝可。

子供たちが主役のお祭り 地蔵盆
毎年8月23日・24日の夏祭りを、京都を中心に近畿地方では「地蔵盆」と呼びます。各町内でお地蔵さんをまつり、お菓子を供え、子供たちは輪になって大きな数珠を「南無阿弥陀仏」と唱えながら回します。

ココがツウ 男の子は白、女の子は赤の提灯(ちょうちん)にお地蔵さんと子供の名前を書いて奉納すると、願い事が叶うと言われています

6体の地蔵菩薩を巡拝 六地蔵めぐり
毎年8月22日・23日に、京都の街道出入り口にまつられている、大善寺(伏見区)をはじめとした6つのお寺のお地蔵さんを参拝して、家内安全と無病息災を祈る行事。各寺の「お幡(はた)」と呼ばれるお札を集めて玄関につるすと、厄病退散や福徳招来のご利益があるとされています。
お幡
制作:2014年7月
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第十一回 京菓子の歴史
第十回 枯山水庭園の眺め方
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第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
第一回 池泉庭園の眺め方
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