京都ツウのススメ

第三十五回 京の通り

[古都の歴史がうかがい知れる京の通り名] 京都には平安京造営によって整備された道が今も残っています。長い歴史が詰まった通りの由来について、らくたびの山村純也さんがご案内します。

京の通りの基礎知識

其の一、
京都は、通りが東西南北に交差する碁盤の目のような町並みが特徴です
其の二、
平安京造営以来の通り名が今も随所に残っています
其の三、
通り名には歴史的な由来や人々の生業(なりわい)が反映されました

平安京で生まれた大路・小路

794(延暦13)年に造営された平安京は、唐の都・長安の「条坊制」と呼ばれる都市制度を手本に区画されました。北に政治を行う大内裏が置かれ、そこから都の玄関口となる南の羅城門を結ぶ中央に朱雀(すざく)大路が設けられました。この朱雀大路を境に、条・坊と呼ばれる区画を区切る幅約24~50mの大路(おおじ)・幅約12mの小路(こうじ)と呼ばれる通りが東西南北に張り巡らされ、現在も残る碁盤の目のような町並みの基礎が築かれました。

通り名の定着

当初は、主だった大路・小路以外には正式な名前はなく、通称で呼ばれていました。やがてその通称を使って住所表記がされるようになり、次第に通り名が定着していきました。この通り名の中には、麸や豆腐を扱う商人が多く住んでいるから「麩屋町通」、輸送業や車鍛冶がまとまっているから「車屋町通」など、そこに暮らす人々の生業が反映されて名付けられたものも多くあります。

[由来をたどれば] 京都市内中心部には歴史や人々の生業に由来する通り名が多くあります。その名前の由来をたどってみましょう。

錦小路通

柳馬場通

寺町通

天使突抜通

松原通

不明門通り

具足(ぐそく=家具や道具)を造って売っていたことから、かつては「具足小路」と呼ばれていました。それがなまって「屎(くそ)小路」と言われるようになりましたが、時の帝が「綾錦」という言葉から四条通の南が「綾」小路ならその北は「錦」小路にせよと命じ、改称したと伝わります。

かつて周りに美しい柳並木がある二条柳町という遊郭があったこと、また豊臣秀吉七回忌の豊国祭臨時祭礼が行われた際、馬の優劣を競い合う大規模な馬揃えが披露されたことにちなんで名付けられました。

豊臣秀吉の京都市街地改造で、洛中の浄土宗・日蓮宗・時宗の寺をこの通りの東側に強制移転させたことにより寺町通と呼ばれるようになりました。

松原通から南下した東側に五条天神社があり、古くは「天使の社」と呼ばれていました。その境内を貫いて道を造ったので、この名が付いたと言われています。

平安京の五条大路にあたる通り。元々、美しい松並木があり、応仁の乱後、人気が少なくなっても松だけが繁っていたことにちなむと言います。また、豊臣秀吉が方広寺大仏殿を建立した時、五条橋を六条坊門小路(現在の五条通)にかけ替えたことで、「松原通」の名前が定着しました。

烏丸通の一本東側の南北の通りで、通りがぶつかる因幡薬師堂の南側にある正面の門が、常に閉ざされていて開かれることがなかったことから「不明門通」と名付けられました。地元では「あけずどおり」とも呼ばれています。

わらべ歌に読み込んだ京の通り名

京都では通り名を覚えやすいように、子供の頃から「丸竹夷二押御池(まるたけえびすにおしおいけ)…」で始まる通り名の歌を歌っています。

制作:2012年2月
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