京都ツウのススメ

第二十八回 京の魔界

[古都に潜む ミステリースポット] “京都には有名な神社やお寺のほかに、不思議な伝説が残るスポットが数多く存在します。千年の都のミステリーを、らくたびの若村亮さんと訪ねましょう。

京の魔界の基礎知識

其の一、
平安時代、天災や飢饉(ききん)は怨霊(おんりょう)のたたりと考えられていました
其の二、
平安京は風水学に基づき造営された怨霊封じの都でした
其の三、
京都では怨霊を鎮めるために多くの社寺が建てられました

怨霊封じの都・平安京

桓武天皇の手によって造られた平安京は、都の華やかさとは裏腹に、怨霊と戦い続けた都でもありました。権力を巡る骨肉の争い、宮廷に渦巻く策略、そして非業の死を遂げた者たちの怨念-。中国より伝わった風水学に基づいて造られた平安京は、そのような数多の怨霊から逃れるためにあちこちに 怨霊封じを施し、鬼門にあたる北東には鬼門封じの社寺が建てられました。また、安倍晴明をはじめとする陰陽師が活躍し、あらゆる怨霊から都を守ろうとしました。

今に残る魔界伝説

古来、自然災害や飢饉は、怨霊のたたりによるものと 考えられてきました。こうした怨霊たちは神社やお寺に まつられ、怨霊を鎮める御霊祭(ごりょうさい)が行われました。現在8月15日に行われている京都五山送り火も、 度重なる戦乱で生まれた怨霊を鎮めるために行われた 「万灯(まんとう)」に起源を持つとも言われてい ます。このように、京に残る様々な怨霊封じの伝説をたどれば、 華やかな都とはまた異なる、魔界都市としての一面が 浮かび上がってくることでしょう。

京の魔界伝説を訪ねて 様々な伝説や謎に彩られた京都のミステリースポットをご案内します。

清明神社 せいめいじんじゃ 魔除けの五芒星が至るところに

一条戻橋のたもとにあったと伝わる安倍晴明の屋敷跡に立つ神社。晴明は平安京を守る陰陽師として6代の天皇に仕え、式神(しきがみ)という12の霊を自在に操ったと伝わります。

  • 9時18時 075-441-6460
  • http://www.seimeijinja.jp
  • 出町柳駅から市バス102・201・203系統堀川今出川下車南へ徒歩約5分
清明神社
六道珍皇寺
矢田寺
鉄輪の井
ココがツウ

御所の鬼門(北東)の方角に位置する赤山禅院などに災いを去る(猿)力があるという猿の彫刻が置かれ、鬼門を守護しています

陰陽師 安倍晴明

陰陽師とは中国の陰陽五行説に基づき、天文や暦、占術を専門とする役職のことを言います。安倍晴明は呪術を駆使して都を守ったと言われ、晴明の超能力を伝える話は『今昔物語』や『宇治拾遺物語』などに多数記されています。

ココがツウ

晴明は関東の豪族・平将門の子だったとか、母は白狐であったなどの説があります

六道珍皇寺 先祖を迎える六道まいり とくどうちんのうじ

地獄の閻魔(えんま)大王に仕えたという小野篁(おののたかむら)ゆかりの寺。8月7日(土)10日(火)にかけて、迎え鐘をついて先祖の霊を迎えるお盆の行事「六道まいり」が行われます。

  • 9時16時 075-561-4129
  • 清水五条駅下車 北東へ徒歩約15分

矢田寺 地獄とつながる不思議な寺 やたでら

本尊は人々の苦しみを取り除く地蔵菩薩。この像は、開山の満慶上人が、小野篁の推薦で閻魔大王に教えを授け、そのお礼に案内された地獄で見た地蔵菩薩の姿を、現世に戻って彫ったものと伝わります。

  • 8時19時 075-241-3608
  • 三条駅下車 西へ徒歩約10分
ココがツウ

本堂にかかる梵鐘(ぼんしょう)は「送り鐘」と言われ、お盆には死者の霊を迷わず冥土に送るためにつかれます

鉄輪の井 呪い伝説が残る井戸 かなわのい

平安時代、嫉妬(しっと)に狂った女が頭に鉄輪をかぶり、丑(うし)の刻参りで相手の男に呪いをかけようとしましたが、男に雇われた晴明に阻まれたため呪いは成就せず、この井戸端で息絶えたと伝わります。

  • 清水五条駅下車 北西へ徒歩約15分
怨霊をまつる京の社
北野天満宮 きたのてんまんぐう

政争に敗れ、無念の死をとげた菅原道真公は、その死後、怨霊となって都に様々な災いをもたらしたと言われます。朝廷は北野の地に道真公をまつり、今では学問の神様として信仰されています。

下御霊神社 しもごりょうじんじゃ

祭神は八所御霊といい、京都市上京区の上御霊神社とともに、早良(さわら)親王、橘逸勢(たちばなのはやなり)ら非業(ひごう)の死を遂げた8つの霊をまつっています。

  • 8時17時 075-231-3530
  • 神宮丸太町駅下車 西へ徒歩約10分
制作:2010年7月
京都ツウ・ウオーク開催レポート

「京都・魔界巡り」晩夏の東山を訪ねて  2010年8月28日(土)開催

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第百十回 扇子(せんす)
第百九回 京の社寺と山
第百八回 春の京菓子
第百七回 幻の京都
第百六回 京の家紋
第百五回 京の門前菓子
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第九回 京阪沿線 初詣ガイド
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第七回 特別拝観の楽しみ方
第六回 京都の着物
第五回 仏像の見方
第四回 送り火の神秘
第三回 祇園祭の楽しみ方
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