京都ツウのススメ

第十四回 京都の路地(ろーじ)

[京情緒を訪ねて複雑に入り組む路地へ]京都の細い道には特有の名前と歴史があります。人々の暮らしが詰まった京情緒あふれる路地について、らくたびの光川貴浩さんがご紹介します。

路地の基礎知識

其の一、
大路(おおじ)・小路(こうじ)の他に、「路地(ろーじ)」という細い道があります
其の二、
「路地」の中でも、構造によって「図子(ずし)」と呼び分けられる場合があります
其の三、
京都には歴史的由来や逸話によって名を残す路地があります

京都の通り

京都は平安建都の際、中国・唐時代の長安の都市制度にならって「条坊制」を採用し、碁盤の目状に道をはり巡らした街。東大路通・花見小路通といった、大路・小路と呼ばれる通りが東西南北に走り、その通り沿いにお店や住居が並んでいます。

路地の誕生と役割

ココがツウ 通り(大路・小路)に囲まれた区画の中心部分は空き地となってしまいます。そこで考え出されたのがこの空間に入るための道、すなわち「路地」を作ることでした。「ろーじ」と呼ばれるこの小さな道沿いにもお店・住居が並び、町にはより多くの人々が住むようになっていきました。また、貴族の屋敷や寺院など、大きな建物の移転によってできた空き地に新たな道が通される際、路地が誕生したケースもあります。見過ごしてしまうような小さな路地や複雑に入り組んだ路地など様々。ほとんどが、京都の人の暮らしの息づかいが感じられる、日常的な空間です。

祇園界隈の路地 京都の花街・祇園甲部と宮川町のはんなりとした風情を楽しみながら、一歩、路地へ入ると、隠れた名店、庶民的な長屋などが並ぶ、入り組んだ道が続きます。

巽小路 テレビや映画でしばしば登場する、赤い鳥居の明神さんのすぐそばから入るひっそりとした道。

大和大路通四条上ル西側 繁華街の真ん中にある、細い路地の奥には、こだわりのうなぎ料理店があります。

団栗図子 このあたりで東西に走っていた団栗図子は、天明の大火の後に拡幅され、現在は団栗通と呼ばれています。 ココがツウ 京都最大規模の火災となった1788(天明8)年の「天明の大火」は、団栗図子の空き家から出火したことから、地元では“団栗焼け(どんぐりやけ)”と呼ばれています

宮川筋通団栗下ル東側 宮川町のお茶屋さんが並ぶ華やかな通りから一歩奥へ。便せんなどを扱う文具店がたたずみます。

四条通花見小路東入ル北側八番小路 抜け道のような路地。奥へ進むと老舗和菓子店が。

あじき路地 築100年近い長屋。12軒が連なるこの長屋の大家さんが2004年に住人を公募し、今では若い作家が営む工房やお店が並んでいます。 ココがツウ 路地名は、大家さんの実家の名字をいただいて名付けられました

路地と図子

「ろーじ」は、その構造によって呼び分けられています。通り(大路・小路)をつなぐ細い道を「図子(辻子)」と呼び、行き止まりになっている道を「路地」と呼んでいます。しかし、図子も含めて路地と総称するため、明確な区別はありません。

ココがツウ

真っすぐな直線型・L字型・T字型・かぎ型など形は様々です

路地につけられた名前 歴史的な由来や逸話から名を残す路地・図子があります。
了頓図子[四条] 安土桃山時代の茶人・広野了頓の屋敷がありました
膏薬図子[四条] 空也上人(くうやしょうにん)が平将門の霊を弔った「空也供養の道場」がなまって定着
革堂図子[西陣] 現在、寺町通にある革堂(行願寺)は、創建当時はここにありました
三上家路地[西陣] 室町時代から続く由緒正しい織物司・三上家があります

三上家路地

制作:2009年5月
バックナンバー
第百十五回 曲水の宴
第百十四回 大政奉還(たいせいほうかん)
第百十三回 パンと京都
第百十二回 京に伝わる恋物語
第百十一回 鵜飼(うかい)
第百十回 扇子(せんす)
第百九回 京の社寺と山
第百八回 春の京菓子
第百七回 幻の京都
第百六回 京の家紋
第百五回 京の門前菓子
第百四回 京の通り名
第百三回 御土居(おどい)
第百二回 文学に描かれた京都
第百一回 重陽(ちょうよう)の節句
第百回 夏の京野菜
第九十九回 若冲と近世日本画
第九十八回 京の鍾馗さん
第九十七回 言いまわし・ことわざ
第九十六回 京の仏師
第九十五回 鴨川
第九十四回 京の梅
第九十三回 ご朱印
第九十二回 京の冬の食習慣
第九十一回 京の庭園
第九十回 琳派(りんぱ)
第八十九回 京の麩(ふ)
第八十八回 妖怪紀行
第八十七回 夏の京菓子
第八十六回 小野小町(おののこまち)と一族
第八十五回 新選組
第八十四回 京のお弁当
第八十三回 京都の湯
第八十二回 京の禅寺
第八十一回 京の落語
第八十回 義士ゆかりの地・山科
第七十九回 京の紅葉
第七十八回 京の漫画
第七十七回 京の井戸
第七十六回 京のお地蔵さん
第七十五回 京の名僧
第七十四回 京の別邸
第七十三回 糺(ただす)の森
第七十二回 京舞
第七十一回 香道
第七十回 天神さん
第六十九回 平安京
第六十八回 冬の京野菜
第六十七回 茶の湯(茶道)
第六十六回 京の女流文学
第六十五回 京の銭湯
第六十四回 京の離宮
第六十三回 京の町名
第六十二回 能・狂言
第六十一回 京の伝説
第六十回 京狩野派
第五十九回 京寿司
第五十八回 京のしきたり
第五十七回 百人一首
第五十六回 京の年末
第五十五回 いけばな
第五十四回 京の城
第五十三回 観月行事
第五十二回 京の塔
第五十一回 錦市場
第五十回 京の暖簾
第四十九回 大原女
第四十八回 京友禅
第四十七回 京のひな祭り
第四十六回 京料理
第四十五回 京の町家〈内観編〉
第四十四回 京の町家〈外観編〉
第四十三回 京都と映画
第四十二回 京の門
第四十一回 おばんざい
第四十回 京の焼きもの
第三十九回 京の七不思議
第三十八回 京の作庭家
第三十七回 室町文化
第三十六回 京都御所
第三十五回 京の通り
第三十四回 節分祭
第三十三回 京の七福神
第三十二回 京の狛犬
第三十一回 伏見の酒
第三十回 京ことば
第二十九回 京の文明開化
第二十八回 京の魔界
第二十七回 京の納涼床
第二十六回 夏越祓
第二十五回 葵祭
第二十四回 京の絵師
第二十三回 涅槃会
第二十二回 京のお漬物
第二十一回 京の幕末
第二十回 京の梵鐘
第十九回 京のお豆腐
第十八回 時代祭
第十七回 京の近代建築
第十六回 京のお盆行事
第十五回 京野菜
第十四回 京都の路地
第十三回 宇治茶
第十一回 京菓子の歴史
第十回 枯山水庭園の眺め方
第九回 京阪沿線 初詣ガイド
第八回 顔見世を楽しむ
第七回 特別拝観の楽しみ方
第六回 京都の着物
第五回 仏像の見方
第四回 送り火の神秘
第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
第一回 池泉庭園の眺め方
  • おすすめ!
  • おでかけナビ
  • わが町自慢 京阪あの駅散策マップ
  • 京阪・文化フォーラム
  • 京阪沿線の情報をつぶやき中!
  • 京阪電車公式Facebook
  • 京阪電車公式Instagram
  • 京阪グループおトク情報
  • 他社線から京阪電車へ
  • おトクなチケット案内
  • 京阪グループ沿線の遠足・社会見学施設のご案内
  • ひらかたパーク
  • 京阪グループのホテル・レジャー予約
  • 比叡山へいこう!
  • アートエリア ビーワン

ページの先頭へ