京都ツウのススメ

第二回 京の名水めぐり

[千年の都を育んだ豊かな水]京都と縁の深い「水」。水に着目して、都の文化や歴史をたどってみるのも興味深いものです。今回はらくたびの佐藤理菜子さんが、京都の名水をナビゲート。さあ、初夏は涼やかな名水めぐりの旅へ!

京都の名水の基礎知識

其の一、
盆地のため、地下水を豊富にたたえています
其の二、
豆腐・酒・茶の湯などに活用され、京の伝統を支えています
其の三、
恵みをもたらす水は、信仰の対象でもありました

京都の水が名水と言われるワケ

三方を山に囲まれた京都盆地。山から流れ出てくる水は、平地で受け止められて地下に染みてゆきます。この特有の地形が水がめとなって、京の大地は地下に良質な水を豊富にたたえています。その水量は、びわ湖に相当するとも言われ、この良質な水と、豊かな四季の風土が、はるか昔から京の人びとの営みを支えてきました。豆腐・お酒・京野菜など、京都の食を語る上で欠かせない名品を育み、茶の湯の文化や京の伝統が今に受け継がれてきたのも、水の恵みがあったからこそ。「鴨川の水を産湯に使うと美人になる。」という昔からの言い伝えや、文豪が残した数々の名文からも、都と水との縁の深さを感じることができます。

京都の水は聖水でもある

水はまた、人びとの信仰の対象でもありました。鴨川の源流の一つ、貴船川のほとりにある貴船神社や、平安京造営以前から鎮座している上賀茂神社・下鴨神社は、水をつかさどる神様をまつっています。葵祭には、流鏑馬(やぶさめ)神事他いくつかの前儀がありますが、そのうちの一つ「斎王代御禊(さいおうだいみそぎ)の儀」は、ヒロインである斎王代が下鴨神社の御手洗(みたらし)池に手を浸し、身を清めるというもの。このように、水は人びとの罪やけがれを流し、清めてくれる聖なるものでもあるのです。

京都名水マップ

御神水(貴船神社 きふねじんじゃ)清流・貴船川のほとりにある貴船神社にまつられているのは、水の神様。貴船山からわき出る境内の御神水は聖なる水として、のどや心を潤してくれるんです。●叡電貴船口駅から京都バス 貴船下車すぐ

美容水(美御前社 うつくしごぜんしゃ)八坂神社境内の美御前社は、3人の女神をまつっています。「美容水」と呼ばれるご神水は、2〜3滴手にとってお肌になじませると、美肌になると言われていますよ。●祇園四条駅下車 東へ徒歩約5分

御香水(御香宮神社 ごこうのみやじんじゃ)城下町の趣を今も残す伏見。「御香宮」の名前は、862(貞観4)年、境内にわき出た水の香り高さを清和天皇が賞賛したのが由来。日本の名水百選のひとつなんですよ。●伏見桃山駅下車 東へ徒歩約5分

御手洗の水 (下鴨神社) 土用の丑の日には病を封じる足付け神事が行われます

鴨川 平安京遷都の時から京都のシンボルであり続けています

音羽の滝 (清水寺) 3本の滝には「延命」「学業」縁結びのご利益があります

天之真名井 (市比賣神社) 古くは皇子誕生の際の産湯に使われたとも

京都の名水が産んだもの 京都が誇る名産品 キーワードは「水」でした
豆腐

豆腐の味を左右するのが、成分のほとんどを占める水。京都の地下水特有のまろやかな軟水が大豆のおいしさを引き立ててくれます。

酒

酒どころ・伏見の地下水は、ほどよくミネラルが溶け出した中硬水。これにより、口当たりのやわらかいお酒が生まれます。

染め物

「水の芸術」とも称される京友禅。染めた後、地下水を用いてゆっくりと水洗いすることで、美しい色が引き出されます。

制作:2008年5月
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第百十四回 大政奉還(たいせいほうかん)
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第百十二回 京に伝わる恋物語
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第百十回 扇子(せんす)
第百九回 京の社寺と山
第百八回 春の京菓子
第百七回 幻の京都
第百六回 京の家紋
第百五回 京の門前菓子
第百四回 京の通り名
第百三回 御土居(おどい)
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第九十九回 若冲と近世日本画
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第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
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