京阪・文化フォーラム

第27回 酒は百薬の長 落語は百楽の長

第1部は様々な酒呑みが登場する落語の中から3席を選りすぐり、笑福亭福笑・笑福亭三喬・桂福丸の三師匠による抱腹絶倒の酔態振りをお楽しみいただきました。第2部は酒どころ伏見の御香宮神社・三木(そうぎ)善則宮司と、笑福亭福笑師匠、そして髙島幸次先生による「酒と落語の効用」についての鼎談(ていだん)をしました。

「幾代亭(いくよてい)」風俗画報より

日時
2011年11月26日(土) 10時~12時
会場
天満天神繁昌亭

プログラム

第1部 落語

桂 福丸

「猫の災難」
桂 福丸

笑福亭三喬

「禁酒関所」
笑福亭三喬

笑福亭福笑

「憧れの甲子園」
笑福亭福笑

第2部 鼎談(ていだん)

御香宮神社宮司 三木善則

御香宮神社宮司
三木善則

落語家 笑福亭福笑

落語家
笑福亭福笑

大阪大学招聘教授 髙島幸次

大阪大学招聘教授
髙島幸次

レポート

会場風景1
会場風景2

京阪・文化フォーラムとは、京阪沿線の文化を幅広く紹介する催しもので、第27回目となる今回の会場は「天満天神繁昌亭」で開催しました。

天満橋駅から約15分、またはなにわ橋駅から約10分、大阪天満宮と敷地を接した場所に天満天神繁昌亭があります。天満天神繁昌亭は、関西では唯一の落語専門の定席(毎日公演している小屋)として2006年に完成したもので、上方落語協会にとっても関西の落語ファンにとっても待ちに待ったと言えるものです。

当日は、開場1時間前には既にお客さまが。今日のテーマにちなみ、お客さまに振る舞い酒をお出ししました。開場と同時に1階席も2階席もたちまち埋まってしまうほどの盛況で、呼び込み太鼓がお客さまを迎え、開演に向けて気持ちが盛り上がります。

緞帳(どんちょう)は大阪の日本画家・生田花朝(1889-1978)作「浪速天神祭」を原画として織り上げたもの。天神祭の勇壮な雰囲気がそのまま伝わってくるようです。天井に目をやると、一面を覆い尽くすようにちょうちんがぶらさがり、他の劇場とは異なる雰囲気を醸し出しています。こういうところも落語専用の定席ならではです。

■第1部 落語

第1部は落語です。お酒にまつわる落語を続けて3席。お酒が好きで好きで、なんとかしてお酒にありつこうとする人が登場する話や、お酒を飲みたいがための微笑ましいだましあいをする話、お酒を飲めば飲むほど、徐々に本音でからんでいく話など、いつのまにか会場全体が落語の世界に引き込まれ、爆笑の渦に包まれました。 高座と客席が一体となったような笑いの空間が生まれ、心身共にリフレッシュしていただけたのではないでしょうか。

落語の風景

■第2部 鼎談

鼎談の風景

第2部は鼎談です。御香宮神社の三木(そうぎ)宮司、そして第1部では大爆笑の名人芸を披露していただいた笑福亭福笑師匠、そして髙島先生の3人が登場。まず初めに本フォーラムのタイトルが、かつて船場にあった定席「幾代亭」の高座に掲げられた「薬」と、繁昌亭の「楽」の額字に掛けたことが披露されました。

続いて、御香宮神社の境内に湧き出る「御香水」に話題が移ります。御香水は「名水百選」の一つに選定されていますから、伏見の銘酒はこの地に生まれるべくして生まれたのですね。しかし、江戸幕府の政策により伏見の酒造業が衰退したときには、西宮の灘に酒造法を学びに行ったという逸話や、近代における鉄道輸送の発達が、伏見酒の流通拡大をもたらしたことなど、興味深い話が広がります。

神事・祭事の後は直会(なおらい)が行われます。直会とは、神社に於ける神事を終えた後に一同でお酒を頂き神饌を食する行事です。お酒は、神様が造ってくださったものという考えがあり、それをいただくことに意味があるそうです。お酒(日本酒)は、日本人の生活と切っても切れないものなのですね。これからも良いお酒をいただけるよう、そして神様が造ってくださったお酒は大事にいただきたいと思いました。

バックナンバー
第27回 酒は百薬の長 落語は百楽の長
第26回 今に生きる熊野詣

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