京阪・文化フォーラム

第26回「今に生きる熊野詣」

世界遺産にも登録されている「熊野古道(熊野街道)」は、平安時代に人々が聖地・熊野を訪ねるために開いた道。それ以来、白河・後鳥羽上皇が熊野詣に用いたこの道は、中世には「蟻の熊野詣」といわれるほど、多くの参拝者でにぎわいました。熊野を目指した人々の信仰と「熊野街道」の歴史を読み解きます。

那智参詣曼荼羅[補陀洛山寺本](青岸渡寺蔵)

日時
2011年6月4日(土)13時~16時30分
会場
京都教育文化センター

プログラム

同志社女子大学准教授 天野 太郎

[講演] 熊野街道のありかた
同志社女子大学准教授
天野 太郎(あまの たろう)

同志社女子大学名誉教授 朧谷 壽

[講演] 上皇と熊野詣
同志社女子大学名誉教授
朧谷 壽(おぼろや ひさし)

奈良大学教授 下坂 守

[講演] 描かれた熊野詣 -那智参詣曼荼羅の世界-
奈良大学教授
下坂 守(しもさか まもる)

レポート

会場風景1

世界遺産にも登録されている「熊野古道(熊野街道)」は、平安時代に人々が聖地・熊野を訪ねるために開いた道です。
それ以来、白河・後鳥羽上皇が熊野詣に用いたこの道は、中世には「蟻の熊野詣」といわれるほど、多くの参拝者でにぎわいました。熊野を目指した人々の信仰と「熊野街道」の歴史を読み解きます。

会場の京都教育文化センターには歴史愛好家の方々や沿線に住まうお客様約210人がお集まりになりました。
最初の講演は同志社女子大学准教授の 天野 太郎先生による「熊野街道のありかた」 です。
奈良街道や鳥羽街道、熊野街道など当着地の名前がつくというお話から、律令体制下における街道の成立、熊野街道の形成と展開へと続き、熊野街道の各ルートのご紹介をいただきました。特に現在、大阪市が指定している八軒屋浜からの熊野街道は実際は松屋町筋を通っていたという説に興味が持てました。

つづいての講演は同志社女子大学名誉教授の朧谷 壽(おぼろや ひさし)先生です。
「上皇と熊野詣」を平家の家系図の説明や『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)や『百錬抄』(ひゃくれんしょう)などから抜粋しご紹介していただきました。
藤原定家が後鳥羽上皇に随行して書いた日記「明月記」には道中の体調不良による不平不満が記されていることや、途中の王子社で催された「今様」のことなど詳しく語られました。

会場風景2

最後の講演はコーディネーター・奈良大学教授 下坂 守先生より「描かれた熊野詣-那智参詣曼荼羅の世界-」は那智参詣曼荼羅をプロジェクターで写して各部分の絵についてご説明いただき、当時の道中の様子をうかがうことができました。

いろいろな切り口で紹介される講義を聞いていると、当時の熊野詣の風景が浮かんでくるような楽しく、かつためになるフォーラムとなりました。

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